ニュース 2019.01.15. 17:43

智弁和歌山|攻守の要・東妻純平が気づいた「準備と周囲を見渡せる視野の広さ」の大切さ

小学生の時から肩は強く、体力測定のソフトボール投げの数値もずば抜けていて、軽く投げただけで小学校のグラウンド外にあるプールに投げ込めていたほど。だが、強肩以上に意識するのは配球だ。昨年1月には捕手出身の大先輩で現在は監督の中谷仁コーチが就任したことが大きな転機となった。中谷監督の指導スタイルは持論を“叩き込む”のではない。
「まず、自分が実際にやったことを踏まえて“自分はこう思ったのでこうやりました”と話すと“それは○○になるから、こうなんじゃない?”という感じで、失敗を反省しながら吸収していくんです。その時、自分はまだまだ技術が足りないと思いました」。
全体練習後、自主練習ではブルペンに走り、ストッピングのコツを徹底的に伝授された。そして配球。どうしても単調になりがちだった自分のリードを突き詰めていくと、ある要因が浮かんできた。
「自分は今まで、うまくいかないとすぐにイライラするところがありました。それを一番出してはいけないポジションなのに、感情がリードにもろに出ていて、ピッチャーに影響を与えてしまっていました」。

 ピンチになると周りが見えなくなり、自分の世界に入ってムキになってしまう。負けず嫌いな性格が故に、結果が出ないと“何で出来へんねん”と自分にいら立ってしまうのだ。
「中谷監督からもそこはよく注意されました。周りから見れば“このキャッチャーは何ですぐイライラするんや”って思われますよね。でも”負けず嫌いだから“なんて理由になりません」。

 昨夏の甲子園の初戦で対戦した近江の同じ2年生の正捕手・有馬諒の動きを見ると、自分との差は一目瞭然だった。
「有馬君はピッチャーの特徴を分かっているし、打たせると相手が乗ってしまうからと簡単に中軸に打たせない術も持っていました。声を掛けるタイミングもそうですが、周りが見えているなあと。見ていてすごく勉強になりました。ピッチャーのいい球をどんどん投げさせられるキャッチャーこそが、いいキャッチャーなんやなあと」。

 そのためにはピッチャーをよく知ることも重要だ。今秋の近畿大会の明石商戦では大会初登板の山本雄太が先発したが、2回に捕まり5失点でマウンドを降りることに。結果的にコールド負けという屈辱を味わったが、普段からリードし“慣れていない” 山本が打たれたことで、山本のことをもっと知っておかなくてはいけないと猛省した。
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