ニュース 2019.03.28. 11:50

甲子園を沸かせた文武両道校、東筑野球部員たちの旅立ち


■親から「勉強でお金を使うなら使っていい」と後押し


北村「公文を小4までやっていました。それと同時に、姉が行っていた塾に中3まで通いました。親が『勉強でお金を使うなら使っていい』と言ってくれたこともきっかけだったと思います。僕は家では勉強できないのですが、外だとやる気が出る。大学の受験勉強も塾や学校(東筑)でやっていました。中学は硬式チーム(古賀ボーイズ)に入り、19時半まで練習したあと、20〜22時までが塾。一見大変そうですが、24時には寝ていたし、毎日7時間半は睡眠もとれていたので苦ではなかったです」

菊池「幼稚園のころはサッカーをやっていたのですが、ちょっとピンとこなくて……。小1で野球を始めて、水泳と書道もやりました。一時、野球をやめたのですが、小4から再開して、同時に学研もやって。塾は中学から行きました。入った硬式チーム(八幡南ボーイズ)ボーイズは火曜日が休みで、木は塾優先でOK。だから両立できたのだと思います。野球でも、ボーイズの全国大会に出場しました」

野球と塾を両立してきた2人。石田投手、北村選手に聞くと、子供のころ習っていた「水泳がおススメ」と話します。

「水泳はいいですよ。水泳をやめたら全身が固くなって、ケガが増えました。全身運動なので、身長も伸びるらしいです!全身運動ですからね」(北村)。

「風邪予防」で始める子どもがスポーツですが、野球にもつながる要素があったようです。では最後に、改めて、野球の魅力について語ってもらいました。

石田「野球には、自分の長所を生かせるところがいろいろある。足の速い人、守備のうまい人、肩の強い人。自分は肩が強かったお陰でピッチャーになれて、甲子園に行くことができました。全てがそろっていなくても、個人の長所を伸ばして試合で発揮できるところが野球のいいところだと思います」

菊池「勝つからうれしい、面白いって言う人がほとんどだと思うのですが『野球は失敗のスポーツ』というところに僕は魅力を感じます。努力しても足りない、だから成功したときの喜びが大きいし、一生取り組んでも満足することがない。そういうところがおもしろいです」

北村「野球、特に高校野球は1番注目されるスポーツ。人から見られる、注目されることが好きなので、野球が1番魅力のあるスポーツだと思っています。プロ野球選手になりたいと思ったとき、自分でどうにかできるものじゃないじゃないですか? 人からの評価を受けてなれるもの。だからこそ、プロ野球選手になりたいと憧れるし、その一方で、どこかで自分に区切りをつけて、もう一つの夢を探そうかなとも思っています」

彼らは自分なりに全力を尽くし、甲子園と六大学をつかみ取りました。東筑の選手たちの姿が「将来高校野球と勉強の両方を頑張りたい」と思っている小・中学生の見本となり、本当の意味での「文武両道」選手が増えていけば、野球の未来も明るくなるはずです。

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