この日も投手陣が投球練習を行っているときはコーチやキャッチャーがこまめに今、何球投げたかということをチェックしていた。高校野球でも球数制限が話題になっているが、公式戦だけを制限したところで根本的な解決にはならない。そういう意味で座間ボーイズが行っている練習での球数制限、また1年生のうちは変化球を基本的に投げないなどというのは、非常に具体的な故障予防の取り組みと言えるだろう。
変化球についてはそれぞれの投手が投げたいボールに対してアドバイスを行っているという話があったが、全体的に自主性を重んじているのも座間ボーイズの特徴だ。トレーニングや普段の練習についても全体で行っているのではなく、各自が自分で決めたものをこなしており、監督やコーチはあくまでそれを確認しているだけだという。
トレーニングについては基本的に自重を使ったもので、主に体幹を重視している。各自が『体幹ノート』と題した野球ノートを提出していたが、その書き方も決まりはない。中には目標まで細かく記している選手もいれば、やったことを数行程度書いているだけの選手もいるなどばらつきはあったものの、それに対して咎めるようなことはないという。先輩やチームメイトを見ながら自分で考えて学びなさい、というスタンスがよく見て取れるノートのシステムだった。(取材:西尾典文/写真:編集部)