ニュース 2019.05.17. 12:08

【八王子学園八王子】安藤徳明監督「指導者には大切な子どもを預かる自覚が必要」



――安藤監督自身、高校球児を育てる親の一人です(次男の大斗くんは昨年の代の主将。三男の健くんは1年生としてチームに所属)。親として指導者としての葛藤はありますか?

「私の場合は部活に忙しく、他の親御さんに比べて幼い頃に自分の子どもへ時間を割くことができませんでした。その分、妻には苦労を掛けさせてしまいました。家で練習を見てあげることもほとんどありませんでした。ただ、昨年キャプテンを務めた次男が生まれた年に八王子に赴任したので、彼らは小さい頃から野球が身近にあり、試合になれば毎年スタンドに応援に来ていました。進学を決めたのも本人の意思です。ただ一日中親といるのは耐えられないといって次男も、三男も寮に入りましたけどね(笑)。
監督としてはなるべく周りの選手と同じように見ています。周りからの目もあり本人は色々思うこともあるでしょうから、私が特別厳しくすることはないですよ」

――息子さんを高校野球へと考えている保護者の方にアドバイスがあればぜひ聞かせてください。

「チームが強いから、甲子園に行けるからではなく、大事な子どもをその指導者にちゃんと預けられるのか? という視点を大事にして欲しいと思います。思うように指導をしてくれなかったり、自分の子どもが目の前で悩んだり苦しんだりする場面も多々あると思います。子どもの肩を持ちたいのが親心です。でも、他人だからできる教育もあると私は思います。親と指導者が信頼関係を築くことで、我が子の成長する姿を多少俯瞰して見守れることができるのではないでしょうか」

――なるほど。逆に指導者は保護者から大事な子どもを預かっている立場を理解し、信頼される人間にならなければいけないということですね?

「そうです。他人の子どもを預かるということは、どれほど重たいことなのか真摯に受け止める必要があります。厳しくしたり、優しくしたり、接し方はケースによって変わりますが、なるべく我が子のように接してあげて欲しいです。
あと、野球が上手くなりたいと思っている子どもには、野球を嫌いにならずに少しでも上達する術を指導者がもっと勉強しないといけません。技術指導にしても色んな方法やアプローチの仕方があるわけですから。子どもが悩んでいたら、一緒になって考えることができる人間が指導者になって欲しいと私は思います」。

安藤監督、お忙しい中貴重な意見をありがとうございました。

(取材・写真:細川良介)

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