並行してアプリの導入も検討中
球数制限の導入を主導した、日本ポニーベースボール協会、本部事務局の田本剛氏は、
「球数制限は、今後の少年野球では避けて通れないことですので、親御さんが子供たちをより近くでしっかり見れるという意味でも、良い部分の方が大きいのではないかと思います。
もともと導入するという話は事前に各チームに伝達していましたが、導入するのはこの大会が初めてなので、まずはやってみて、改善点があればその都度考えていくということになります。
これに並行して、『Easy Score』というアプリの導入を検討しています。タブレット端末に1球ごとに入力すれば、スコアや球数がオンタイムで分かります。設定しておけば、球数制限に達したらアラームが鳴るようにもなります。今回は江戸川球場の試合で試験的に使っていますが、このアプリを公式戦で本部と、各チームが使用するようになれば、負担は軽くなると思います。
導入にあたっては、やはり“大変だ”という声もありましたが、子供たちのために父母が少しだけ汗をかけばクリアできることですので、やってみようよ、と説明しました。並行してアプリの導入などで負担軽減の努力もします」
導入に賛成する指導者たち
開会式に参加した指導者10人に話を聞いたが、「球数制限」に反対する人はいなかった。
「もともと聞いていた話だし、私も必要だと思っていたので、導入できてよかったと思う」という声が多かった。
中には、
「うちのチームでは、自分たちだけで球数をカウントしていた。練習も含め、以前から子供たちの球数を数えていたので、まったく負担には感じない」
と語る指導者もいた。
この日は季節外れの猛暑で、朝8時過ぎには球場の気温は28度に達した。大会主催者側は、球場に集結した選手を座らせて来賓の祝辞を受けた。こういうところにも「子供を守る」というポニーリーグの考え方が表れていた。
試合では暑さもあって、1イニングで30球を超える球数を投げる選手もいた。早いイニングからブルペンでは投手が練習を開始した。
少年野球の現場では、今後、こうしたことが「当たり前の光景」になっていくのだろう。(広尾晃)