■西村監督が考える、高校で伸びる子の特徴
どんな選手が高校で伸びるのでしょうか? 西村監督はこうきっぱりと言い切りました。
「『この学校に行ったら甲子園に行ける』と思うのではなく『俺がこのチームを甲子園に連れていく』。そう思っている選手から伸びていきます」。
また、西村監督は「チームカラー、学校との相性」も、入学前によく調べて欲しいと力説します。
「これだけ情報があふれている時代。勉強に力を入れている学校か、野球中心で強化している学校か。私立なのか、公立か。進学、就職の進路はどうか。保護者の方は、自分の子供に合った学校選びをして欲しいと思います。
正直言って、うちは『勉強が大好き』という選手が集まってくる高校とは言えません。でも、野球を通じた人間教育、人としての成熟度を上げていく指導は自信をもって行っています。野球で負けたとき、何も残らない選手は作りたくない。西短は、はたから見れば練習は楽ではないチームだと思いますが、能力がないからこそ上手くなる。時には私も選手と温泉に入って裸の付き合いをしながら、仲間意識を築いていくチームです」。
2004年、2010年。2度、夏の甲子園出場を果たしている西村監督。父親のような目で選手を見守りながら、厳しく、そして愛情深く選手を育て上げています。「強くはないが、負けない野球」。部員70人で夏9年ぶりの頂点を目指します。(取材・写真:樫本ゆき)