■寡占が進む地方の高校野球
「戦力格差」の裏返しとして、地方では少数の私学による「甲子園の寡占」が進んでいる。
福島県では聖光学院が2007年から12年連続で夏の甲子園に出場。2010年以降で、聖光学院以外に甲子園に出たのはいわき海星だけ。
高知県でも2017年まで8年連続で明徳義塾が夏の甲子園に出場。春は高知、土佐も甲子園に出ているが、明徳義塾の比率は圧倒的だ。
栃木県も作新学院が8年連続で夏の甲子園に出場。春も含め、他に甲子園に出場したのはのべ5校に過ぎない。
こうした「甲子園寡占校」に入学してレギュラーになれば、甲子園でプレーできる可能性は極めて高い。このために聖光学院や明徳義塾は全国から選手を集めている(作新学院は原則として、県内を中心に選手を集めている)。
こうした県では、多くの参加校は戦う前から事実上、甲子園への道が閉ざされている。そのことが、「野球離れ」の一因となっている可能性も考えられる。