投手の投球数は、投打の関係やチームの戦力差など様々な要因によって、増加したり減少したりする。今回は「投球数が増減する要因」について整理したい。
野球は投手の球を打者が打つ競技だから、投打の関係が「投球数」にも大きく影響を与える。またチーム同士の力量差や投打のバランスなども、球数を大きく左右する要因である。
・投手の力量が打者を大きく上回る場合、球数は減少し、打者が投手を大きく上回る場合球数は増加する傾向にある
投手の力量が打者を大きく上回り、いつでもストライクが取れて、安打を打たれる可能性が低い時は、投手は初球から思い切ってストライクを投げ込むことができるので、効率の良い投球ができ、球数は原則として減る傾向にある。力投しなくても有利な勝負ができるために、投手の肩ひじへの負担は軽いことが多い。
反対に、打者のレベルが投手よりも上の場合、投手は警戒してきわどいコースを狙うことが多いので、球数は増える傾向にある。打者は好球必打でじっくり投球を見極めることもある。また力量差がある場合、打者はファウルを打つことも容易になるため、球数が増える。投手は力投が増えるため、肩ひじへの負担が増える。
・長距離打者と短距離打者では、長距離打者と対戦した時の方が球数が増える傾向にある
単打よりも長打の方が得点に結びつく可能性が大きいため、投手は長距離打者には慎重に投げるようになる。このため球数が増える傾向にある。走者が得点圏にいる場合には、投手は長距離打者との勝負を避けることが多くなり、四球を出すことが多くなるので投球数が増える。
反対に、好打者であっても長打が少ない場合は、投手は安心して攻めることができるので、特に走者がいないケースでは球数は減少する傾向にある。
・チームの力量差が大きい場合、弱いほうのチームの投手は球数が増える傾向にある
チームの力量差がある対戦の場合、強力打線は安打を打ち、得点を重ねるためになかなかアウトにならない。当然ながら弱いほうのチームの投手は球数が増える。反対に長距離打者が多い打線に対して投手は勝負を避ける気持ちが生じるため、余計に球数が増える傾向にある。
高校野球地方大会など、コールドゲームが導入されている試合では、ワンサイドゲームでも球数は抑制されるが、強いチームが速い回でのコールドゲームを狙って初回から攻勢に出るため、大量点になり短いイニングでも相手投手の球数がかさむこともある。地方大会の1回戦、2回戦ではコールドゲームでも20点差以上になって、負けたチームの投手が100球以上投げることも珍しくない。
・打高投低の大会、リーグの方が投手の球数は増える傾向にある
大会、リーグなどが、投打の力量差や使用するバット、ボール、球場のサイズなどの要因で打高投低に強く傾いている場合、打撃戦が多くなり、投手の球数は増える。
高校野球では1974年夏の甲子園から金属バットが導入された。直前の同年春の甲子園では29試合で1本塁打だったが、夏の大会では33試合で11本塁打に急増した。これによって投手の球数も増加している。
2018年の夏の甲子園は55試合で51本塁打、2019年春は35試合で20本塁打。打高投低は昔と比較にならないほど進行している。甲子園は極端な「打高投低」に傾いているため投手の球数は増える傾向にある。
・大量点を狙う相手よりも、小刻みに加点する相手の方が、投手の球数は増える傾向にある
本塁打、長打で大量点を狙おうとする打線は、成功すればビッグイニングを作り、投手の球数も増えるが、そうでなければ淡白な攻撃になり、球数は増えない。一方で走者が出ると送ったり進塁打で小刻みに加点しようとする相手の方が、作戦は複雑になり、投手の球をじっくり見極めるので投手の球数は増える。また塁上の走者を警戒する必要があるため、牽制球も増えて、投手の負担が増える傾向にある。
■(1)力量差、投打バランスの問題
野球は投手の球を打者が打つ競技だから、投打の関係が「投球数」にも大きく影響を与える。またチーム同士の力量差や投打のバランスなども、球数を大きく左右する要因である。
・投手の力量が打者を大きく上回る場合、球数は減少し、打者が投手を大きく上回る場合球数は増加する傾向にある
投手の力量が打者を大きく上回り、いつでもストライクが取れて、安打を打たれる可能性が低い時は、投手は初球から思い切ってストライクを投げ込むことができるので、効率の良い投球ができ、球数は原則として減る傾向にある。力投しなくても有利な勝負ができるために、投手の肩ひじへの負担は軽いことが多い。
反対に、打者のレベルが投手よりも上の場合、投手は警戒してきわどいコースを狙うことが多いので、球数は増える傾向にある。打者は好球必打でじっくり投球を見極めることもある。また力量差がある場合、打者はファウルを打つことも容易になるため、球数が増える。投手は力投が増えるため、肩ひじへの負担が増える。
・長距離打者と短距離打者では、長距離打者と対戦した時の方が球数が増える傾向にある
単打よりも長打の方が得点に結びつく可能性が大きいため、投手は長距離打者には慎重に投げるようになる。このため球数が増える傾向にある。走者が得点圏にいる場合には、投手は長距離打者との勝負を避けることが多くなり、四球を出すことが多くなるので投球数が増える。
反対に、好打者であっても長打が少ない場合は、投手は安心して攻めることができるので、特に走者がいないケースでは球数は減少する傾向にある。
・チームの力量差が大きい場合、弱いほうのチームの投手は球数が増える傾向にある
チームの力量差がある対戦の場合、強力打線は安打を打ち、得点を重ねるためになかなかアウトにならない。当然ながら弱いほうのチームの投手は球数が増える。反対に長距離打者が多い打線に対して投手は勝負を避ける気持ちが生じるため、余計に球数が増える傾向にある。
高校野球地方大会など、コールドゲームが導入されている試合では、ワンサイドゲームでも球数は抑制されるが、強いチームが速い回でのコールドゲームを狙って初回から攻勢に出るため、大量点になり短いイニングでも相手投手の球数がかさむこともある。地方大会の1回戦、2回戦ではコールドゲームでも20点差以上になって、負けたチームの投手が100球以上投げることも珍しくない。
・打高投低の大会、リーグの方が投手の球数は増える傾向にある
大会、リーグなどが、投打の力量差や使用するバット、ボール、球場のサイズなどの要因で打高投低に強く傾いている場合、打撃戦が多くなり、投手の球数は増える。
高校野球では1974年夏の甲子園から金属バットが導入された。直前の同年春の甲子園では29試合で1本塁打だったが、夏の大会では33試合で11本塁打に急増した。これによって投手の球数も増加している。
2018年の夏の甲子園は55試合で51本塁打、2019年春は35試合で20本塁打。打高投低は昔と比較にならないほど進行している。甲子園は極端な「打高投低」に傾いているため投手の球数は増える傾向にある。
・大量点を狙う相手よりも、小刻みに加点する相手の方が、投手の球数は増える傾向にある
本塁打、長打で大量点を狙おうとする打線は、成功すればビッグイニングを作り、投手の球数も増えるが、そうでなければ淡白な攻撃になり、球数は増えない。一方で走者が出ると送ったり進塁打で小刻みに加点しようとする相手の方が、作戦は複雑になり、投手の球をじっくり見極めるので投手の球数は増える。また塁上の走者を警戒する必要があるため、牽制球も増えて、投手の負担が増える傾向にある。