■個性的な方針3:指導者も選手も保護者も同じ高さであり続けること
取材当日、グラウンドの脇にはブルーシートの上に野球の道具が並べられていた。これは、お母さんたちからの意見で始めた「お譲り会」と言われるもので、成長し着られなくなったスポーツウエアや、使用できなくなった野球用品を持ち寄り、下級生の家庭に無償で譲る目的で始めたもの。
「何かを持って行か“ねばならない”いうような強制ではありません。何も提供できなくても気兼ねなくもらいに来てくれたらいいんです。うちは当番制がないので、保護者の上下関係もありません。だから『お譲り会』のように、いつでも誰でも自由に『やってみたいこと』も『困っていること』も気の向くままに声を出せます」
声を出しやすい環境づくりに一役買っているのが「コンシェルジュ」という存在だ。
「子どものパーソナリティを保護者はチームの指導者に知ってもらいたいと思っています。反対に指導者は指導者側の意図を子どもにも保護者にも知ってほしいと思っています。親同士も指導者同士も同じです。毎日いろんな意見が届きます。難解なこともあれば、子どもたちの眩しい表情も届きます。どれも子どもたちのことを真ん中に考えたメッセージです。日々寄せられるメッセージは尽きないですが、それほどルークスには心から子どもたちの成長を考えられる大人が揃っています」とコンシェルジュの明美さん。
寄せられたメッセージはコンシェルジュを通じて話し合われ、解決策や思いの共有に役立っている。
「指導者、選手、保護者が同じ高さであり続けること」
そのためにはチーム内コミュニケーションが気の向くままにできることが大切だ。(取材:細川良介/写真:編集部)
次回へ続きます。