■他のスポーツで磨かれる感性もある
自分たちの手で料理する計画と共に、今年の冬から新たな取り組みがスタートする予定だ。それは野球ではなく『ゴルフ』。野球チームなのにゴルフ? と思うかもしれないが、里山が点在する香取シニアのグラウンド付近には多くのゴルフ場がある。
「ゴルフのツアープロをしている知り合いから『今ゴルフ場は人手不足で、バンカーの砂を補充したり、池のほとりの草を刈る人がいない』と相談を受けました。もしやってくれるのなら無料で1ホール回っていいよと言われたんです。子どもたちも参加していいとのことなので、オフトレーニングの一環として7番アイアン、砂袋、鎌を持ってゴルフをする計画があります。打った後はボールのところまでランニングをすることで自然と足腰も鍛えられないかなと(笑)」
チームのパフォーマンスコーチを務める豊田明弘トレーナーも「ゴルフは野球と同じで止まっている時間が長いスポーツです。その点では野球に共通しているところもあります。特にメンタルを鍛えられる面白い取り組みだと思います」と太鼓判を押す。
「あくまでスポーツのベースは野球で作りますが、アメリカのように季節によって色々なスポーツをしてもいいと考えています。1日野球漬けの日が当たり前ではなく、たまには1日全く野球をやらない練習があってもいいと思います。他スポーツに触れることで、子どもたちの感性が磨かれることもあるでしょうから」(羽生監督)
その他にも、LINEアプリを使った自主練習の動画チェック、専門医による肘の定期検診、身体をケアするためのトレーニング機器の設置など、子ども達のためになることは固定観念にとらわれず柔軟な発想で取りいれている。
切り開かれた里山から、新しい試みはこれからも続く。
(取材・写真:細川良介)