野球少年、野球少女のお父さん、お母さん、そして少年野球指導者の皆さんにとって役に立つ、勉強になる野球の本を紹介します。
今回紹介するのは、『新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術』(カンゼン)です。筑波大学硬式野球部監督の川村卓准教授が、これまでの研究結果や経験をベースに考案された、小学生年代に特化した野球技術の指導本です。その中からの一部をご紹介します。
内外野の守りに加えて、キャッチャーのスローイングやピッチャーのフィールディングなど、守備の範囲は多岐におよぶ。
先に総論的なことから書くと、小さいうちからいろいろなポジション、さまざまな動きを経験させてあげてほしい。野球という競技は、「キャッチャーならキャッチャー」「外野手なら外野手」といったようにポジションを固定することが多いが、それは高校生や大学生になってからでいい。小学生や中学生のうちは、できる・できないに限らず、多くのポジションを守る経験がその後の野球人生に生きてくる。
大学生を例に出すと、「小さいときから外野しかやっていません」という選手は、短い距離でのスローイングが苦手だったり、不規則なバウンドへの対応が脆かったり、どこか不器用に見えることが多い。それに、ひとつのポジションしかやっていないと、コンバートへの対応が遅れてしまう。ひとりで2〜3ポジションを守れるぐらい、プレーヤーとしての幅の広さを持ってほしい。
守備位置が替わると、視界も変わる。ショートから見える景色と、キャッチャーから見える景色はまったく違う。それによって、何らかの発見があるはずだ。
たとえば、キャッチャーの目の前にはバッターがいる。左バッターのときに二塁盗塁のスタートを切られると、バッターの視界に一瞬隠れて、ランナーのスタートが見えないことが起こり得る。これが「ディレードスチール」という、スタートのタイミングを遅らせる方法を取られると、さらにスタートが見えづらくなり、二塁への送球が完全に遅れる。こうしたキャッチャーからの視界を、盗塁の技術に生かせることもあるのだ。
(3章 守備の指導法「ポジションを固定しない」より)
■内容紹介■
プロ指導者も学ぶ野球コーチングの基本
ジュニア年代に特化した年代別指導メソッド
すべての教え方には、明確な根拠がある!
科学的理論に基づき、年代別の野球指導を体系化
ケガを予防し、「投球・打撃・守備」の正しい野球動作を習得
QRコードで練習メニューの動画を確認できる!
スペシャルインタビュー 吉井理人(千葉ロッテ一軍投手コーチ)収録
本書はこれまでの研究結果や経験をベースに考案された、小学生年代に特化した野球技術の指導本です。
成長段階の子どもたちには、「できることとできないこと、教えたほうがいいことと教えないほうがいいこと」があります。
例えば、身体的に未発達で骨格がまだ出来上がっていない小学生が、プロ野球選手のような投げ方ができるわけがありません。
ヒジを上げたくても、上がらない子もいる。体に負担がかかりすぎて、投球障害につながる恐れもあるのです。
そこで野球未経験の子どもたちや、身体的に未発達の小学生・中学生の時期に、
何をどのように教えていけばいいのかを1冊にまとめました。
子どもにもイメージしやすいように、さまざまな練習方法を動画で確認にできるようにしましたので、
あわせて役立ててください。
【目次】
インタビュー 吉井理人(千葉ロッテマリーンズ投手コーチ)
1章 発育発達の基礎知識
「子ども」と「大人」の体は違う
「子ども」と「大人」の境界線
骨の成長とトレーニングの関係性
骨端線とヒジ痛の関係性
障害リスクのガイドライン…など
2章 投手の指導法
成長期のボール投げ
ヒジを上げて投げる重要性
ヒジの上げ方は2種類ある
投げ方と姿勢の関係性
投球に関わる肋間筋の柔軟性
ヒジを上げるための方法論
理想的な下半身の使い方
体重移動時の軸足の動き
お尻が上がる投球フォーム
投球時の指の使い方を知る
指の力の方向と球速の関係性
制球力を高めるための遊び…など
3章 守備の指導法
ポジションを固定しない
「捕る」より先に「逃げる」を教える
柔らかいハンドリングを身につける
「捕る」と「投げる」をつなげる
ゴロ捕球の正しい姿勢を知る
ゴロ捕球上達のステップ
「投球」と「送球」の違い
スナップスローを身につける
トップレベルのゴロ捕球を分析
フライ捕球の指導方法
キャッチャーのキッチングを学ぶ
スローイング技術を高める
勝つために必要なピッチャーの守備…など
4章 打撃の指導法
打撃指導のステップアップ
捻転動作を身につける
体重移動の感覚を養う
体重移動を養うスイングドリル
構えのポイント
投球の到達時間に気を配る
軸足でタメを作る
バットの握り方を学ぶ
インサイドアウトのバット軌道
コース別の対応方法
「変換効率」を上げていく…など
5章 ジュニア期のコーチング
「きわめる」から「わきまえる」へ
野球のゲーム性を学ぶ
成長期に起きるクラムジーやタイトネス
身長とパフォーマンスの関係性
デュアルタスクの重要性
子どもの遊びは「回遊性」がカギ…など
今回紹介するのは、『新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術』(カンゼン)です。筑波大学硬式野球部監督の川村卓准教授が、これまでの研究結果や経験をベースに考案された、小学生年代に特化した野球技術の指導本です。その中からの一部をご紹介します。
ポジションを固定しない
さまざまな視界から野球を見る
内外野の守りに加えて、キャッチャーのスローイングやピッチャーのフィールディングなど、守備の範囲は多岐におよぶ。
先に総論的なことから書くと、小さいうちからいろいろなポジション、さまざまな動きを経験させてあげてほしい。野球という競技は、「キャッチャーならキャッチャー」「外野手なら外野手」といったようにポジションを固定することが多いが、それは高校生や大学生になってからでいい。小学生や中学生のうちは、できる・できないに限らず、多くのポジションを守る経験がその後の野球人生に生きてくる。
大学生を例に出すと、「小さいときから外野しかやっていません」という選手は、短い距離でのスローイングが苦手だったり、不規則なバウンドへの対応が脆かったり、どこか不器用に見えることが多い。それに、ひとつのポジションしかやっていないと、コンバートへの対応が遅れてしまう。ひとりで2〜3ポジションを守れるぐらい、プレーヤーとしての幅の広さを持ってほしい。
守備位置が替わると、視界も変わる。ショートから見える景色と、キャッチャーから見える景色はまったく違う。それによって、何らかの発見があるはずだ。
たとえば、キャッチャーの目の前にはバッターがいる。左バッターのときに二塁盗塁のスタートを切られると、バッターの視界に一瞬隠れて、ランナーのスタートが見えないことが起こり得る。これが「ディレードスチール」という、スタートのタイミングを遅らせる方法を取られると、さらにスタートが見えづらくなり、二塁への送球が完全に遅れる。こうしたキャッチャーからの視界を、盗塁の技術に生かせることもあるのだ。
(3章 守備の指導法「ポジションを固定しない」より)
■内容紹介■
プロ指導者も学ぶ野球コーチングの基本
ジュニア年代に特化した年代別指導メソッド
すべての教え方には、明確な根拠がある!
科学的理論に基づき、年代別の野球指導を体系化
ケガを予防し、「投球・打撃・守備」の正しい野球動作を習得
QRコードで練習メニューの動画を確認できる!
スペシャルインタビュー 吉井理人(千葉ロッテ一軍投手コーチ)収録
本書はこれまでの研究結果や経験をベースに考案された、小学生年代に特化した野球技術の指導本です。
成長段階の子どもたちには、「できることとできないこと、教えたほうがいいことと教えないほうがいいこと」があります。
例えば、身体的に未発達で骨格がまだ出来上がっていない小学生が、プロ野球選手のような投げ方ができるわけがありません。
ヒジを上げたくても、上がらない子もいる。体に負担がかかりすぎて、投球障害につながる恐れもあるのです。
そこで野球未経験の子どもたちや、身体的に未発達の小学生・中学生の時期に、
何をどのように教えていけばいいのかを1冊にまとめました。
子どもにもイメージしやすいように、さまざまな練習方法を動画で確認にできるようにしましたので、
あわせて役立ててください。
【目次】
インタビュー 吉井理人(千葉ロッテマリーンズ投手コーチ)
1章 発育発達の基礎知識
「子ども」と「大人」の体は違う
「子ども」と「大人」の境界線
骨の成長とトレーニングの関係性
骨端線とヒジ痛の関係性
障害リスクのガイドライン…など
2章 投手の指導法
成長期のボール投げ
ヒジを上げて投げる重要性
ヒジの上げ方は2種類ある
投げ方と姿勢の関係性
投球に関わる肋間筋の柔軟性
ヒジを上げるための方法論
理想的な下半身の使い方
体重移動時の軸足の動き
お尻が上がる投球フォーム
投球時の指の使い方を知る
指の力の方向と球速の関係性
制球力を高めるための遊び…など
3章 守備の指導法
ポジションを固定しない
「捕る」より先に「逃げる」を教える
柔らかいハンドリングを身につける
「捕る」と「投げる」をつなげる
ゴロ捕球の正しい姿勢を知る
ゴロ捕球上達のステップ
「投球」と「送球」の違い
スナップスローを身につける
トップレベルのゴロ捕球を分析
フライ捕球の指導方法
キャッチャーのキッチングを学ぶ
スローイング技術を高める
勝つために必要なピッチャーの守備…など
4章 打撃の指導法
打撃指導のステップアップ
捻転動作を身につける
体重移動の感覚を養う
体重移動を養うスイングドリル
構えのポイント
投球の到達時間に気を配る
軸足でタメを作る
バットの握り方を学ぶ
インサイドアウトのバット軌道
コース別の対応方法
「変換効率」を上げていく…など
5章 ジュニア期のコーチング
「きわめる」から「わきまえる」へ
野球のゲーム性を学ぶ
成長期に起きるクラムジーやタイトネス
身長とパフォーマンスの関係性
デュアルタスクの重要性
子どもの遊びは「回遊性」がカギ…など