9月20日に開かれた日本高野連の「投手の障害予防に関する有識者会議」の第3回会合では、「投球数は7日間で500球を上限とする」ことなど、具体的な方向性が示された。その中で「7日で500球」の意味するものについて考えたい。
「7日で500球」は、数字だけを見れば「球数制限を実施した」とは言えない。
アメリカのピッチスマートでは、高校生に相当する17-18歳の1日の球数の上限は105球。76球を超えると最低でも中4日の休養が求められる。7日間で投げることができるのは、最大でも210球だ。
NPBの先発投手は、1週間に1回の登板が一般的になっている。7日で120級程度。ごくまれに週2回先発登板する投手もいるが、それでも7日間で200球を超える投手はいない。
またMLBでは、先発投手は中4~5日程度の間隔で投げるが、今季、ア・ナ両リーグで最も多くのイニング数を投げているナショナルズのマックス・シャーザー投手でも、7日間での最大の球数は5月6日~11日の227球だった。
体が完成されたプロ野球選手でも、7日間で250球投げる投手はほとんどいないのに、日本の高校野球はその倍の球数を投げることができる。これは依然として異常な数字だ。
今夏の甲子園で最も多くの球数を投げたのは、履正社の清水大成が594球、これに次ぎ星稜の奥川恭伸が512球を投げたが、7日間に限定すれば履正社清水は327球、星稜奥川は379球だ。両投手ともに7日間で3回戦、準決勝、決勝に先発したが、準々決勝は他の投手に任せている。
過去5年間の夏の甲子園で「7日で500球」を超えたのは、2018年夏、金足農の吉田輝星が3回戦164球、準々決勝140球、準決勝134球、決勝132球の580球を投げた例があるだけだ。
実質的に「7日間で500球」は、甲子園に出場する様なレベルの高校の場合「現状追認」と言っても良い形だ。
ピッチスマートなど、海外の「球数制限」と比較すれば、その差はあまりにも大きいと言わざるを得ない。
■「7日で500球」は異常な数字
「7日で500球」は、数字だけを見れば「球数制限を実施した」とは言えない。
アメリカのピッチスマートでは、高校生に相当する17-18歳の1日の球数の上限は105球。76球を超えると最低でも中4日の休養が求められる。7日間で投げることができるのは、最大でも210球だ。
NPBの先発投手は、1週間に1回の登板が一般的になっている。7日で120級程度。ごくまれに週2回先発登板する投手もいるが、それでも7日間で200球を超える投手はいない。
またMLBでは、先発投手は中4~5日程度の間隔で投げるが、今季、ア・ナ両リーグで最も多くのイニング数を投げているナショナルズのマックス・シャーザー投手でも、7日間での最大の球数は5月6日~11日の227球だった。
体が完成されたプロ野球選手でも、7日間で250球投げる投手はほとんどいないのに、日本の高校野球はその倍の球数を投げることができる。これは依然として異常な数字だ。
■実質的な「現状追認」
今夏の甲子園で最も多くの球数を投げたのは、履正社の清水大成が594球、これに次ぎ星稜の奥川恭伸が512球を投げたが、7日間に限定すれば履正社清水は327球、星稜奥川は379球だ。両投手ともに7日間で3回戦、準決勝、決勝に先発したが、準々決勝は他の投手に任せている。
過去5年間の夏の甲子園で「7日で500球」を超えたのは、2018年夏、金足農の吉田輝星が3回戦164球、準々決勝140球、準決勝134球、決勝132球の580球を投げた例があるだけだ。
実質的に「7日間で500球」は、甲子園に出場する様なレベルの高校の場合「現状追認」と言っても良い形だ。
ピッチスマートなど、海外の「球数制限」と比較すれば、その差はあまりにも大きいと言わざるを得ない。