このトレーニングでは役割交代をしながら、多くの人とペアを組んで同じ事を繰り返します。すると次に自分との感覚の違いは人それぞれということに気づきます。そして、最後に再び最初のペアとゆっくり時間をかけて角砂糖を積み上げます。すると、不思議なことにそれまで以上にその選手役の感覚を知ろうと努力し、やがてはその人になったつもりで指示を出すようになる自分に気づくのです。
このトレーニングでよく分かるようにコーチの1cmと選手の1cmは違います。最近になって「プレーヤーズ・ファースト」という言葉がよく聞かれます。私はコーチがいつもしっかり観察し、その選手の1cmを知り、その選手になったつもりで言葉を選ぶという事こそ「プレーヤーズ・ファースト」の定義に含まれると思っています。
コーチが自分の目線だけで選手を見て、自分が主役になってしまっての指示はただの「命令」です。その一方で選手のことをより知り、その選手になったつもりで指示したことは「提案」と言えるでしょう。
コーチが選手のことをよく知ろうとすると、そのことは必ず選手に伝わります。自分のことをよく知っている人の言葉はスっと心に入っていきます。考えてもみてください。あなたのことをよく知ってくれている人の意見は誰だって耳を傾けますよね。
自分の感覚と相手の感覚は違う、その違いが選手とコーチの解釈のズレを作ってしまい、間違った方向に行ってしまうのです。百聞は一見にしかず、一度角砂糖トレーニングをしてみてください!命令ではなく、提案ができる自分を見つけられるはずです。
立花龍司さんのnoteはこちらから
https://note.mu/tachiryu89