——他人が見た評価、大人が決めた基準が子どもの頑張る気持ちを奪っていることが多いように思いますね。
勝亦「毎年やっている野球遊びのイベントでは、監督不在で、子どもが自分たちでポジションを決めています。ある子がピッチャーをやりたいって手を挙げたら、外で見ていたその選手の指導者が『あいつには無理だ。ストライクが入らないから』って言うんですね。でもいざやってみたら、その選手は、どんどんストライクを投げることができました。大人が子どもの能力や将来性を勝手に決めつけている一例ですが、こういった大人は多いのではないのでしょうか」
——そういうことが子どもから野球を遠ざけてしまっているように思います。
勝亦「本当に子どもに野球をやってもらいたいのか。逆に野球から遠ざけたいんじゃないかという指導をしているケースは今でもたくさんあるように感じます。野球のルールや面白さを理解し、技術も上達し、試合にも十分に出て、それでも野球を辞めるというなら仕方ないですよね。野球の楽しさを体験できずに、試合にもあまり出ないまま野球から離れてしまう子どもが、今よりも少なくなるようにしていきたいですね」
——お忙しいところ貴重なお話、ありがとうございました。
(取材:西尾典文)