■「メンタル」面での成長について
投手はメンタル面が重要だといわれます。プレッシャーに負けずに大事な場面でしっかり投げられることが重要です。
しかし投手によって「メンタル」は異なります。今、この投手を厳しい場面に出していいのか、行かせていい投手なのか、行かせないといけない投手なのか、しっかり見極めなければなりません。
必要だと思えば、抑えることができないかもしれないと思っても、わざとマウンドに上がらせて、その結果がどうであれ、投手が感じてくれる部分に期待することもあります。
無理かもしれないと思える状況であっても、あえてマウンドに上がらさなければ、以後、そういう場面で出せなくなることもあるからです。
もちろん、そういう厳しい場面でうまく投げることができたら、私はしっかり選手を褒めます。
■「球数制限」と今後の方向性
「球数制限」の導入によって連投は少なくなるでしょうし、1人の投手で試合に勝つのは難しくなりました。
エースだけでなく他の投手も使うためには、どれだけ場数を踏ませるかが大切です。たとえ打ち込まれても失敗して何かが生まれる可能性があります。プロの場合、経験を積ませる必要があるときにはわざと1人だけ投げさせることもあります。それを繰り返すことで、経験値が高まります。
「球数制限」によって、違う野球が生まれていい方向に向かっていくのではないか、と思います。
指導者はそれに合わせて適材適所を見極めていく。いいところ探してあげて育てていくことが大事でしょう。
いろんな問題があるでしょうが、何をおいても「選手の健康」が大事なことはこれからも変わらないと思います。
(取材・写真:広尾晃)