ニュース 2019.12.13. 12:00

今夏甲子園出場、米子東の「頭を使って野球に取り組む」姿勢




■高校野球に流れは存在するのか


研究発表:岡本大翔、松田凌、山内陽太郎、土岐尚史

「野球でよく使われる『流れ』は本当に存在するのか。存在するとしたら何によって起こるのか。またそれに対してどのような対策が立てられるのかを考察」

【方法】
米子東高校硬式野球部に現存する約700試合の公式戦のデータの中で終盤(7、8、9回)の先頭打者が出塁した無死一塁のケースを調査対象とし、その出塁方法(ヒット、四死球、エラー)ごとにその回の得点結果に差があるのかを調査した。

・ヒット:得点確率0.477952 得点期待値0.948791
・四死球:得点確率0.518072 得点期待値1.106024
・エラー:得点確率0.617143 得点期待値1.285714

【まとめ】
ヒットとエラー、四死球とエラーの間には有意の差が認められたが、ヒットと四死球の間には認められなかった。このことにより同じ先頭打者の出離によってできた無死一塁でも出塁方法によってその後の展開に差が出る「流れ」が確認された。守備側の精神状態や思考がその後の得点に大きく影響を与えているのではないか、野球には「流れ」が存在し、その正体は「心の動き」ではないかと言う結論に至った。

ポスター発表は「1テーマ」が原則だったが、いずれも選手ならではの発想が光るテーマだった。
紙本庸由監督は「科学的知見」に基づく指導でチームを23年ぶりに甲子園に導いたが、その指導の中で選手たちも「野球を科学的に見つめる」態度を身に着けてきた。

米子東高校は鳥取県下有数の進学校だが単に「野球も勉強もできる」という文武両道ではなく、「頭を使って野球に取り組む」姿勢が養われたのが素晴らしい。
来場者からも感心する声が上がっていた。

(取材・写真:濱岡章文)

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