須江監督のスローガンは秀光中時代から一貫しています。「全国制覇する」とは言わず「日本一からの招待」という言葉を使い、選手とともに頂点を目指しています。データ分析、人間力形成、技術向上への鍛錬。そういった正しい取り組みをしている選手だけが「日本一から招かれる」という考えです。この考えで育てられてきた選手たちは、グラウンド外の行動も自覚を持つようになりました。学校生活や礼儀挨拶など、当たり前のことを当たり前にやる習慣を意識していったのです。
下級生にいつ追い抜かれてもおかしくない。「年功序列がない」という仙台育英のスタイルは、ある意味厳しい世界でもあります。と、同時に選手たちに「最後まで自分自身を諦めない」ということへのエールとも言えます。「日本一からの招待」を受けるために、仙台育英の選手たちはひたむきに栄光を追いかけます。(取材・撮影:樫本ゆき)