ニュース 2020.01.27. 17:00

メンタルコーチに聞く、子どもの上手な褒め方、叱り方

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子どもを指導、教育するうえで意外と難しいのが褒め方。できるだけ褒めようと思ってもなんでも褒めてしまうと褒められることが当たり前となってしまい、いつしか褒めても子どもの心に響かなかくなってしまう。叱り方にしても、「そんな叱り方をしなくても…」という場面に出くわすことも多い。そこで今回は、メンタルコーチとして多くのジュニア選手たちを指導してきた藤代圭一さんに、子どもの上手な褒め方、叱り方についてお話を伺いました。




子どもとの間に「信頼関係」はありますか?



——子どもは褒められたこと、叱られたこと一つで、大きく成長したり、落ち込んだりすることもあると思います。子どもの褒めた方、叱り方で藤代さんが意識されていることはどんなところでしょうか?

「まず子どもを褒める、叱るの前に、その子どもと指導者(保護者)の間に信頼関係が築かれていることが大切ですね。先日、ある競技のチームの合宿に参加した時の話なのですが、コーチが選手たちに『何か質問はあるか?』と聞いたら、選手たちは間髪入れずに『ありません!』と答えていたんですね。私には選手たちがそもそも考えようともしていないように見えました。これは指導者と選手の間に信頼関係が築かれていない典型だと感じたんです」

——スポーツの現場では、選手が指導者に意見や質問をしにくい空気みたいなものはありますね。
「選手から何も質問や意見が出てこないということは、『(その指導者に)言っても仕方ない』と思われていたり、『的外れなことを聞いて怒られたら嫌だな』と思われているのだと思います。『この人にはどんなことを聞いても、まずは受け止めてくれる』という信頼関係がなければ、選手たちの本音は出てきにくいですよね」

——前提として信頼関係が大事ということはよくわかりました。でも「では明日から信頼関係を築こう!」と思ってすぐに築けるものではないですよね? そういう場合はどうすればいいのでしょうか?

「例えばスペインのサッカーチームなどは、コーチや監督と選手の間に入る“コーディネーター”という役割の人がいたりするんですね。選手が直接指導者に言いづらいことも、そのコーディネーターを通じて吸い上げるような仕組みです。日本の少年スポーツでも、若くて選手と年齢の近いコーチがそのような役割を担うのも良いと思います」

結果ではなく「プロセス」を褒めてあげる


——いま、スペインの話がありましたが、外国では、特にアメリカや中南米の野球の指導者は子どもたちをとにかくよく褒めているイメージがあります。子どもと信頼関係を築くには叱るよりも褒めることの方がやはり大事なのでしょうか?

「先ほど例に出した競技のチームも『(練習の)反省、振り返りをしよう』というとダメなところ、できなかったこと、失敗したことなど、反省点ばかりが出てくるんですよ。もちろん、失敗を振り返り改善することは大切です。けれど、それだけではなくて、上手くいったところを見る、探すような視点も指導者は持つべきだと思います。『なぜできなかったのか?』と振り返るだけではなく、『今日は何が上手くいった?』と問いかけることが褒めることにも繋がりますし、子ども自身が自分の良いところに気づくきっかけとなり、信頼関係やモチベーションにも繋がりますよね」

——子どもの褒め方、叱り方のコツなどはありますか?

「まず褒める時も叱る時も結果だけについて言わないことですね。結果だけについて褒める、叱るということをしてしまうと、選手が結果だけしか見なくなります。そうではなくてその過程を褒めてあげることが大切です。例えばヒットを打ったとして、『よく打った!』と結果だけを褒めるだけではなく、『毎日一生懸命バットを振っていたからだね、頑張ったね』というように、そのプロセスを褒めること。そうすると子どもの次への意欲に繋がります。

ただ、プロセスを何でもかんでも褒めれば良いというわけではありません。私は以前少年サッカーのコーチをしていたのですが、シュートを打った選手に対して『ナイスチャレンジ! 惜しい! 惜しい!』と、とにかく何でも褒めていたんです。それがその子のモチベーションに繋がると思って。でもゴールから大きく外したシュートを打った子どもから『全然惜しくないよ!』と怒られました(笑)。
ですから、褒めるにしても叱るにしても、まずはしっかり子どものプレー、動き、態度を観察して、適切なタイミングで適切な声をかけないといけないですね。あとは褒める、叱るの基準をしっかり決めておくことですね。そうすることで、選手が前向きに取り組めるようになるともいます」(取材・文/西尾典文)

次回「野球を通じて子どもの「考える力」を育むために、大人ができること」に続きます。




藤代圭一さんプロフィール
一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームなど様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。著書に”スポーツメンタルコーチに学ぶ「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」(旬報社)”、「スポーツ大好きな子どもが勉強も好きになる本」(G.B.)がある。http://shimt.jp
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