展開期・自立期(中学生)で身に付けたい「PDCAサイクル」
野球を始めた小学生の頃を「導入期・継続期」とすれば、この時期に大切なことは、とにかく子どもに「野球は楽しい!」と思ってもらうこと。そして野球だけではなく色んな能力を満遍なく伸ばしてあげて「器を大きくする」ことだと勝亦先生は言います。
そして「甲子園に出たい」というようにに、その子の目標が明確になってくる時期が「展開期・自立期」になります。
目標を山に見立て「どうやってこの山に登るか?」ということを本人が考えなければいけない時期なのだそうです。
「(展開期・自立期に指導にあたる)指導者は、どうやって山に登るチームなのかを選手に説明できなければいけません。そういう風にしていくと、PDCAという逆算的発想という方法になります。計画性(目標を明確に)、効率性(目的に合うように)、確実性(目標に到達できるように)、客観性(他者の意見を取り入れる)というのがこの段階になります」
こういった段階を踏んでいかないと、自分で目標を達成するための行動を起こせなくなるのだと勝亦先生は言います。
「私が教えている大学の学生たちも、私が『自主練』と言った瞬間にフリーズして何もできなくなります。『今日は自分たちで練習内容を考えて3時間やって』と言っても全然できません。そんな選手たちがプロ野球選手になって活躍できるでしょうか? 社会に出て活躍できるでしょうか?」
PDCAを自分でうまく回していけるようになることが野球の発展や技術の向上、そして目標を達成することにも繋がる。だからこそ、展開期・自立期の子どもを預かる指導者の方にはそのことを「頭の片隅に置いて欲しい」と勝亦先生は言います。
後編では、子どもの生まれ月が野球に及ぼしている影響などを中心にご紹介します。