もう一つ覚えてもらいたいことが、目にボールが当たったなど目の外傷に対するアクシデント対応です。バントやファウルチップ、デッドボール、イレギュラーバウンドなど技術面はもちろんボールの変形、グランド状態などによって予期せぬケガが起こることがあります。子どもたちを守る立場の指導者、保護者の皆さんは子どもたちに起こりうるケガや対処法、病院受診時に眼科のドクターに伝えるべきことなどを覚えておく必要があります。目にボールなどが当たったときは
・片方ずつ確認をする(両目で見えていても、片目では見えないこともある)
・目が開くかどうか
・出血があるかどうか
を確認し、目が開かない、ものがぼやけて見えづらいということであればすみやかに病院を受診しましょう。また医師には「いつ受傷したのか」「ボールがどこから当たったか(正面なのか横からなのか等)」「意識消失はあったのか」「硬球なのか軟球なのか」といったことも伝えるようにします。軟球は硬球に比べて柔らかいので安全と思いがちですが、軟球は当たると変形するため、眼球に直接当たる可能性があります。軟式野球のチームは硬式と同じくらい危ないという認識を持つ必要があります。
(聞き手・取材:西村典子)
次回「野球のパフォーマンスに影響を与えないための「スマホ」とのつきあい方」に続きます。
石橋秀幸さんプロフィール
一般社団法人 日本スポーツビジョン協会理事・事務局長。
日本体育大学卒。慶應義塾大学大学院卒。プロ野球、広島東洋カープに15年間在籍(1997年はメジャーリーグ ボストン・レッドソックスへコーチ留学)、トレーニングコーチとしてプロ野球選手を指導してきた。現在は、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターでの研究、神奈川大学人間科学部における教育、そして現場においてプロアスリートから小学生まで幅広い世代にトレーニング指導をおこなっている。