――「野球好き」を作ることが目的なんですね
「そうですね。僕らの活動が認知され始めて、学童野球のチームから“ティーボールを教えてくれ”と言われるようになりましたが、そういう中には、単に選手数を増やしたいからティーボールを利用しよう、という意図が感じられる指導者もいます。それには違和感がありますね。
バッティングにしても、ティーボールでは“思い切り打て”と指導します。止まっているボールを『フライボール革命』でいう『バレル』で飛ばすように指導しています。
でも学童野球では“ダウンスイングでたたきつけなさい”と指導されています。もう、時代遅れだと思うのですが、いまだにそういう指導者が多いんです。そういうチームに進んでしまうと子供たちは戸惑ってしまいます。
僕らにしてみれば、もっと深い部分で野球を楽しんでほしいと思うのですが、次のステップのチームが、ガツガツ勝利を求めると、野球が嫌いになってしまうのではないかと思います。
少なくとも小学校の時代は、『野球を楽しむ』ことを第一にしてほしいですね。個人的には中学もそれでいいと思いますが」
――今後はどういう活動をしたいと思いますか?
「ティーボールは、文部科学省が定める『ベースボール型授業』に準拠しています。授業で取り入れていただければと思います。
今、運動生理学や動作学について勉強していますが、子供の間は一つの運動ばかり集中するのではなく、いろんなスポーツをするほうがいいんです。そこでティーボールだけでなく鬼ごっこやドッヂボール、サッカーなども体験させています。
子供たちの成長を見ながらいろんなスポーツを体験させて、その中で“野球の楽しさ”を実感してもらえたら、と思いますね」(取材・写真:濱岡章文)