慶應義塾高校、慶應大学で野球に励み、現在は世田谷区や大田区を中心に活動する八幡イーグルスで高学年チームの監督を務める杉山剛太さん。練習中は常に明るく、子どもたちに負けない声の大きさでグラウンドを盛り上げる。チームの雰囲気は良く、子どもたちの自然な笑顔が印象的でした。慶應野球部が提唱する「エンジョイ・ベースボール」がここ多摩川の河川敷グラウンドに根づき始めていました(取材は2月上旬に行いました)。
高校時代は上田誠氏(元慶應義塾高校野球部監督、現在は慶應大学コーチ)、大学時代は故・前田祐吉氏とアマチュア野球界の重鎮の教えを受けてきた杉山監督。社会人となり、息子の入団と同時に八幡イーグルスの指導者としてチームに関わり始めた。モットーは現役時代に経験した「エンジョイ・ベースボール」。慶應野球の神髄ともいえる「エンジョイ・ベースボール」とは、指導者が考えを押しつけるのではなく、選手が自主的に考え決断し、明るく楽しむ野球である。
指導者の強制ではなく、成長のプロセスを選手自身で考える野球は「頭の良い慶應の生徒だからできる」と言われることもあるが、杉山監督は「それは違います」と言い切る。
「上達するために自ら考えて行動することは子どもでもできると思っています。指示をして動くことは指示をする側も、される側も楽なことです。野球を楽しむために自分で動いていくことは難しいことですがそれが自然だと私は思います。自発的に動くことができれば野球の楽しさをさらに感じることができるのではないでしょうか」
練習中では事あるごとに選手を集め会話することを心がけている。「今の○○くんのプレーは何が良かった?」「上手くなるためにはどうすればいいと思う?」と答えを言わず、子どもたちから言葉を引き出す。そして出てきた意見は否定することなくつぶさに拾っていく。
「小学校5,6年生は人によって成長の度合いが大きく違います。大人の言葉を理解している子もいれば、まだ理解できない子もいます。それでも意見を言えるような雰囲気を作り、なるべく全員と会話をするよう心がけています。うちは選手間だけのミーティングが非常に多いです。その時間で答えを見つけることよりも、選手全員が自分の意見を言うことが大切です」
ある強豪チームと対戦したとき、杉山監督はメジャーリーグのように思い切ったシフトを敷いてみないかと提案した。子どもたちはその意見に賛同し、彼らだけでシフトを作り上げた。そのシフトを確認したとき「僕の考えていたシフトと全然違いました(笑)」と思ったという。
「それでも子どもたちが自分たちで作ったシフトですし『よし、やってみよう!』と。試合ではなかなかハマらなかったのですが、上手くハマったときの子どもたちの笑顔は忘れられません。失敗も成功も自分たちで考えたからこそ素晴らしい経験になると感じた瞬間でしたね」
子どもでもできる「エンジョイ・ベースボール」
高校時代は上田誠氏(元慶應義塾高校野球部監督、現在は慶應大学コーチ)、大学時代は故・前田祐吉氏とアマチュア野球界の重鎮の教えを受けてきた杉山監督。社会人となり、息子の入団と同時に八幡イーグルスの指導者としてチームに関わり始めた。モットーは現役時代に経験した「エンジョイ・ベースボール」。慶應野球の神髄ともいえる「エンジョイ・ベースボール」とは、指導者が考えを押しつけるのではなく、選手が自主的に考え決断し、明るく楽しむ野球である。
指導者の強制ではなく、成長のプロセスを選手自身で考える野球は「頭の良い慶應の生徒だからできる」と言われることもあるが、杉山監督は「それは違います」と言い切る。
「上達するために自ら考えて行動することは子どもでもできると思っています。指示をして動くことは指示をする側も、される側も楽なことです。野球を楽しむために自分で動いていくことは難しいことですがそれが自然だと私は思います。自発的に動くことができれば野球の楽しさをさらに感じることができるのではないでしょうか」
練習中では事あるごとに選手を集め会話することを心がけている。「今の○○くんのプレーは何が良かった?」「上手くなるためにはどうすればいいと思う?」と答えを言わず、子どもたちから言葉を引き出す。そして出てきた意見は否定することなくつぶさに拾っていく。
「小学校5,6年生は人によって成長の度合いが大きく違います。大人の言葉を理解している子もいれば、まだ理解できない子もいます。それでも意見を言えるような雰囲気を作り、なるべく全員と会話をするよう心がけています。うちは選手間だけのミーティングが非常に多いです。その時間で答えを見つけることよりも、選手全員が自分の意見を言うことが大切です」
ある強豪チームと対戦したとき、杉山監督はメジャーリーグのように思い切ったシフトを敷いてみないかと提案した。子どもたちはその意見に賛同し、彼らだけでシフトを作り上げた。そのシフトを確認したとき「僕の考えていたシフトと全然違いました(笑)」と思ったという。
「それでも子どもたちが自分たちで作ったシフトですし『よし、やってみよう!』と。試合ではなかなかハマらなかったのですが、上手くハマったときの子どもたちの笑顔は忘れられません。失敗も成功も自分たちで考えたからこそ素晴らしい経験になると感じた瞬間でしたね」