ヘッドコーチには川和高校、慶應義塾大から2007年大学社会人ドラフト1位でヤクルトに入団した加藤幹典氏が就任。
普通の少年野球チームでは考えられない豪華な指導者が、子供たちに野球を教える。
しかしこうしたトップクラスの指導者は、いわゆる「根性野球」とは一線を画した「楽しい野球」「自分の力で成長する野球」を目指している。
目の前で「勝つ」ことよりも、子供が高校以上で、大きく成長することを第一に考えている。
一般の少年野球では、使用する用具は連盟の承認がなければならない。指定メーカーの用具を購入するなど制約がいろいろある。
また、デザインやマークにも制約があるが、東京インディペンデンツにはそうした制約は全くない。
キャッチャーのヘルメットや防具もこういうデザインだ。
佐藤謙太さんは話す。
「野球用具においても従来の常識に囚われない方針です。キャッチャーマスクはヘルメット型、グラブはカラフルな物でも全く構いません。グラブにメーカーのロゴが2ヵ所以上あると公式戦で使えないそうですが、そのルールに何の意味があるのでしょうか? 道具のデザインでも楽しめた方が絶対に良いと思います。」
「野球好き」のこだわりがあふれている。
またサングラスの使用も奨励している。
紫外線の強い日中に野球をすることで、目を傷めるリスクが常にあった。しかし日本では高校野球以下のアマチュア野球では「青少年にふさわしくない」という理由で使用が禁止されてきた。アメリカでは考えられない状況だ。
これまで少年野球では「格好いい」という要素はほとんど考えられてこなかった。しかし、子供が野球を好きになる動機は、圧倒的に「野球は格好いい」からだ。
大人は何かと「質実剛健」を押し付けがちだが、東京インディペンデンツは、ユニフォームや用具の考え方も根本から違っている。
新型コロナウイルスの感染拡大で、東京地区は経済活動も含め、大きな制約がかかっている。船出したばかりだが、東京インディペンデンツは合同での練習ができなくなっている。
東京インディペンデンツは、こうした状況下でも体を動かし、トレーニングを続けるために「オンライン勉強会」を実施、自宅にいる子供に、野球に役立つ様々なトレーニングの方法などをレクチャーしている。
こうした面でも、東京インディペンデンツは一歩先を行っている。
新型コロナウイルス禍は、大人も子供も憂鬱になってしまっているが、それだけに開幕時には、子供たちの元気な歓声が響き渡ることだろう。(文・写真:濱岡章文)