“野球ってこんなに面白いんや”と思ってほしい、国立大付属高野球部で奮闘する兄
新型コロナ禍では、アマチュア野球界も大きなダメージを受けた。選手も指導者も「野球ができない」現実に直面した。そんな中で「野球好き」の高校生、大学生をつくるために懸命に奮闘していた兄弟がいる。
兄、山口琢士は、25歳。奈良県立郡山高校でプレーした。郡山高校は奈良県下では「公立の雄」ともいうべき強豪校で、春夏それぞれ6回甲子園に出場。プロ野球にも千葉ロッテマリーンズの荻野貴司など多くの選手を輩出している。
山口兄は三塁手として活躍。しかし天理、智弁、奈良大附属のまえに敗退し、甲子園出場はならなかった。そして大阪教育大学に進む。
学生時代から野球部を指導
「教師にという気持ちはありましたが、大阪教育大野球部は、僕が入学したとき近畿学生野球連盟の一部リーグにいました。トップリーグで本格的に野球ができることが魅力でした。
そして国立大学で体育学をしっかり学びたかった。
大学では三塁手として2年ではベストナインに選ばれ、オールスターにも出場しました。このときに現ヤクルトの宮本丈選手(履正社高校-奈良学園大)とプレーできたのが思い出です。
大学は次のシーズンに二部に落ちましたが、僕は3回生の秋で引退をして指導者の道を歩むことにして、奈良女子大附属中等教育学校のコーチになりました。当時の女子大附属のキャプテンは幼馴染で、野球の技術指導ができる教員がいなかったので声をかけられたんです」
卒業後は教員になって東京都立高島高等学校に赴任。軟式野球部監督になるとともに、硬式野球部顧問も務める。
高島高校は東東京大会で2018年は5回戦、2019年は準々決勝まで駒を進めたが、いずれも東京都立小山台高校に敗退した。
昨年からは、故郷の奈良に戻って以前コーチをしていた奈良女子大附属中等教育学校高等部の監督になる。