■元ドラ1投手のピッチング指導
ピッチャーの指導を行っていたのは、元慶応大学エースでヤクルトにドラフト1位された経歴を持つ加藤監督。行われたのは独特のシャドーピッチング。
(1)片足を挙げて軸足1本でしっかりと立って止まる
(2)トップの位置を作って止まる
(3)腕を振ってフォロスルーの形で止まる
この動作を繰り返し行わせていました。この練習の目的はバランスを崩さずに体重移動を行えるようになること。特に(3)では、投げ終わったときに右投げであれば前に踏み出した左足の膝の真上に右肩がくるように、頭が突っ込まないようになど、細かく指導を行っていました。
続いて行われたのは軸足をベンチの上に置いた状態でのシャドーピッチング。これはボールをリリースした後、踏み出した足の股関節をひねる動きを意識させることが目的。
その後はピッチャー同士でのキャッチボールが行われましたが、目的は色んな変化球を試してみること。投球練習を通じてではなく、キャッチボールを通じて遊び感覚で試している点が独特です。
毎年強豪高校へ選手を送り出しているチームや、全国大会出場を目指しているチームから見れば、このチームの練習は緩く、物足りなく映るかもしれません。厳しい練習に打ち込むチームをもちろん否定しません。しかし、そういったチームでやる自信がない、馴染めない子も多くいます。そういった子達のためにも中学野球に新しい選択肢が増えることは歓迎すべきこと。インディペンデンツのようなチームが全国に増えれば野球を続ける子どもはもっと増えるのはでないでしょうか。(取材・写真:永松欣也)