初めての試み、収穫と課題
最後にこの日試合を見守った大人達の声も紹介します。
■個人参加したA君のお父さん
——このリーグのことを知ったきっかけは?
1年生のときからずっと野球をやっていたのですが、習い事などで土日が忙しくなってきたので野球と習い事のバランスの取れるチームを探していてこのリーグのことを知りました。
——試合を通じて普段のお子さんとの違いや変化などは見られましたか?
今日が初めての試合だったのでちょっと硬いなぁと思いながら見ていました。
——誰も知っている子がいない環境に一人で参加することにお子さんは不安などを感じていませんでしたか?
こういう環境は結構慣れていると思います。転校を経験したり海外に住んでいたこともありますし、そういうときも全然知らない環境で、野球チームに一人で飛びこんだりする経験をしてきましたから。
——お子さんの今後の野球のご予定は?
本人も野球が好きでずっとやっていますし、(習い事などもある中で)手に負える範囲で続けられるのであれば続けていって欲しいなと思っています。親としては非常に面白い試みのリーグだと思っていますので、本人が希望するのであれば今後もこのリーグに参加したいですね。
■個人参加したB君のお母さん
——このリーグのことを知ったきっかけは?
ネット記事で知りました。
——誰も知っている子がいない環境に一人で参加することにお子さんは不安とかを感じていませんでしたか?
すごいシャイで緊張しやすい子なんですけど、野球をずっとやりたくて前日まではずっと楽しみにしていました。直前になるとやっぱりちょっと緊張していましたね。
——現在はチームには所属されていない?
所属していたのですが、去年のコロナ緊急事態宣言のタイミングで本人は続けたかったのですが家族の都合で辞めざるを得ませんでした。
——今日の息子さんのプレーを見ていかがでしたか?
もともと口数が多い方ではないのですが、今日は試合でミスもしてしまってなかなかチームに溶け込めてないなぁと......。でも(時間が経つと)他の子達とも会話をしている様子も見れて、それを見て親としてはホッとしました。
——お子さんの今後の野球のご予定は?
二回目、三回目もできれば参加したいなと思います。
■塚本PCG事務局長
——初めての試みでしたが終わってみての感想はいかがでしょうか?
主体的にこの場を楽しもうと思って集まった選手達。自分たちで楽しむための環境を作り、スタメンも選手交代も、サインも自分たちで決める姿。それは、放課後や休日に近所の公園で友達同士で野球遊びをしているように、誰にやらされるでもなく、自分たちが楽しむために野球をやっている。そのような姿を見ることができました。それが一番の収穫だったかなと思います。
——やってみて分かった発見と課題などはありましたか?
チーム分けや打順、守備位置を決めることなど、普段は大人が介入しがちなところを子ども達だけでも十分にできることが今日の試合をみただけでも分かりました。ですので、今後は子ども達にもっと任せてもいいのかなと思いました。それが発見ですね。
課題で言いますと、初めて参加してくれた子たちのチームへの溶け込みですね。子どもたちにそこを委ねつつ、リーダー的な役割ができそうな子にはそういったことのケアを促してみるだとか、そうすれば雰囲気作りがもっと早く、上手くできたかなと思いました。また、今回は5,6年生でしたが、低学年で個人参加したい子供たちが出てきた際は、少しやり方を工夫する必要もありそうです。
——個人参加した子達も初めはぎこちない感じでしたが、途中から打ち解けてチームメイト達と笑顔で言葉を交わしたりしていましたね。
やっぱり野球をやりたくて来ている子達ですので、グラウンドに立てばそのあたりは積極的にやっていて安心しました。スタート前は少し心配していましたが、杞憂に終わりましたね。
——PCGの中から今日は3チームの5、6年生達が参加していましたが、彼等も日頃は試合以外で接点がないはずなのに打ち解けていましたね。
PCGに参加しているチームの選手はスポーツマンシップを意識して活動しているチームも多く、お互いを尊重する気持ちをもってグラウンドに来てプレーしているんだなってあらためて思いました。既に対戦経験もあるチームの選手同士、過去の対戦時に気になる選手もいたようで、今日の試合を経てよい刺激にもなったと思います。
——次回の「PCG-FUTURES GAMES」の予定は?
PCG個人参加選手登録を募集しておりまして、そこである程度人数が揃い次第、次は5、6年生だけでなく、カテゴリーも増やして秋頃実施したいと考えています。既にチーム参加している選手、これからチーム参加したいと考えている選手、過去にチーム所属していたが今は未所属の選手。色々なバックグラウンドを持つ選手同士が集まって試合する場を想像するとワクワクしますね。(取材・文・写真:永松欣也)