ニュース 2021.11.12. 14:34

高校野球のリーグ戦、実力アップだけでなく「学び」もある「Liga Agresiva」

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高校野球のリーグ戦、「Liga Future」は、単なるリーグ戦ではなく、球数制限、低反発の金属バットの使用、スポーツマンシップの学びなど、高校野球の未来を考えた取り組みで注目を集めていた。
今年からは「Liga Agresiva」と名前が変わった。また昨年までは、大阪、新潟、長野の3府県で開催されていたが、今年からは14都府県に渡る高校で12のリーグで60校以上の高校が参加することになった。




2リーグに分けて実施


新潟県では4年前からリーグ戦に参加しているが、今季から、リーグを2つに分けた。

Aリーグ
新潟明訓、北越A、北越S、日本文理、東京学館新潟

Bリーグ
新潟明訓B、第一、新潟東・万代・向陽、新潟北

昨年までの1リーグでの展開では、甲子園出場経験のある強豪校が、部員数がそろわない連合チームなどと対戦することもあったが、実力差が大きすぎると双方にとって経験値が上がらない。また球速や打球速の違いなど危険な部分もあった。
そこで、今シーズンから実力を勘案してAB2リーグに分けることにした。このリーグは固定ではなく今後、状況によってチームの移動なども考えられる。

リーグ戦の後は、Aリーグ上位3チームとBリーグ優勝チームによって、決勝トーナメントを行う。



「学びの場」があることがポイント


「Liga Agresiva」は単に野球のリーグ戦を行うだけではない。
それと並行して、スポーツマンシップなど、アスリート、野球選手にとって必要な知識、考え方を学ぶ座学も実施している。
例年は講師を招いて選手、指導者が話を聞いたが、今年はオンラインセミナーで、NPO法人BBフューチャー理事長で、堺ビッグボーイズ中学部監督の阪長友仁氏、一般財団法人日本スポーツマンシップ協会の中村聡宏代表理事の講義を聞いた。
新潟県は、県高野連が「球数制限」の導入を発表するなど、高校野球の在り方について先進的な考え方を持っている県ではある。
それだけに、各校指導者の意識も高い。

新潟明訓高校の今井也敏コーチは、Liga Agresivaに期待することとして
(1)モチベーションアップ
(2)投球制限による投手の育成
(3)低反発バットによる打撃力の向上
(4)セミナーによる人間力の向上
を掲げた。

また、新潟第一高校の勝尾俊彦監督は、
「失敗をするとどうしても選手自身もチームも雰囲気が暗くなってしまうので、失敗した後や困難に直面したときでもポジティブな考え方、雰囲気を作り出せるようになってもらいたいです。上手くなるためにはどうしたらいいかを常に考え、チャレンジできるように成長してもらいたいです」
と期待感を表明した。



新潟市立万代高校の町屋良輔監督は、
「低反発バットや欧米での10代の野球指導についての話を聞いて、日本の子どもたちへのアプローチを考える機会にもなると考え参加を決めました。
低反発バット、竹バットは慣れてくるまでとばないので、ごまかしが聞きにくいというところでこれからのバッティング練習に向けての良い動機付けになると考えます。また、レベルの高い選手だと結構打たれますが、特にリーグ戦の最初の方はなかなか打てない打者も多いので、投手もが思い切りの良い球を投げる練習にもなります」
と語る。

新潟県立新潟北高校の相馬謙司監督は、リーグ戦に参加するとともに、リーグ戦の状況を報じる「新潟リーグ戦新聞」を独自に発刊、リーグ戦を盛り上げている。
「試合における勝利だけではなく、選手の将来を保障する「育成」を主眼に置いた取り組みに共感をしました。
野球の技術の巧拙に差はありますが、相対的な見方だけではなく、選手1人ひとりの成長を大切にした絶対性がこのリーグの良さだと感じています。
投手が思いきって投げ込むことができる、ナイスプレーには積極的な声かけを行うなど、積極的なトライができる環境を生かして、精一杯成長して欲しいと思います。また、選手の出場機会を確保し、投球数制限等、選手の心身の健康を守りながら戦います」
と抱負を語った。



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