選手のモチベーションも上がった
リーグ戦最終日の11月14日、観音寺総合高校と高瀬高校は、丸亀市民球場で最終戦を行った。プロ野球や独立リーグも使用する本格的な球場での試合に、選手たちの士気も上がっているように感じられた。
香川県立観音寺総合高校の土井裕介監督は、
「いろんな制限があると言うのは、選手たちも考えるきっかけになりました。高校野球は春夏秋の3回の大会しかありませんが、練習試合ではなくリーグ戦で記録をつけることができましたし、わかりやすい目標があることで生徒のモチベーションも上がりました。また時期的にもすごいいい時期でしたね」
と成果を語った。
このリーグ戦を立ち上げるうえで主導的な役割を果たした香川県立高瀬高校の香川県立高瀬高校の杉吉勇輝監督は
「うちはBBCOR仕様の低反発バットを1本購入したのですが、こんなにも打てない子は打てないのかと言うことが分かったのも収穫でした。技術を磨かないと、と思いました。
内野手は前で守れましたし、外野も打球がひと伸びふた伸び違うので思い切って守ることができました。その他のことも含め、低反発バットに代えれば多くのことが解決するのではないかと思いました。
でも力のある子は低反発バットでも芯でとらえればフェンス近くまで飛ばしていましたから、スイングスピードをつけることができれば関係ないのだなとも思いました」
と手ごたえを語った。
競技人口減少の現実も
午後からは琴平高校グラウンドで、琴平高校と丸亀高校の試合が行われた。
甲子園出場4回を誇る公立の名門、丸亀高校は選手の体も大きく、投手も力のある球を投げていたが、琴平高校の選手も積極的にくらいついて、点差はついたものの緊張感のある試合が続いた。
また日曜日だけにネット裏、グラウンド横には熱心なファンが集まり、試合の推移を見つめている。選手の父兄と思われる男性が、リーグ戦のルールや考え方を周囲に説明している。こういう形でLiga Agesivaへの理解が広まることも有意義なことだ。
しかし各校ともに選手数は多いとは言えない。高瀬高校は24人の選手がいたが、他の3校は十数人。ダブルヘッダーをやるにはやりくりが必要になる。リエントリー制度はこれを想定して導入されたが、香川県でも競技人口が減少していることを実感した。
Liga Agresivaは、高校野球の「楽しさ」を実感し、選手たちに成長できる機会を与えるリーグ戦である。このリーグ戦を通じて、競技人口の拡大にもつながればよいと思った。(取材・文・写真:広尾晃)