ニュース 2021.12.20. 13:31

型にはめ込まない、次のステージを見据えた指導|江戸崎ボーイズ

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年末年始の30日間はチームの活動を行わない。そんな「積極的休養」を取り入れながらも創部5年で全国大会ベスト4になったチームがあるらしい—。どんなチームなのか気になり、グラウンドに足を運んだのがコロナ禍前の2年前。江戸崎ボーイズの「それから」が知りたくて再びグラウンドを訪ねました。




【選手を型にはめ込まない】


「高校時代はキャプテンではあったんですが、ちょっとミスをすると直ぐに代えられてしまうような選手でした」
そんなふうに謙遜する渋谷泰弘監督は、甲子園春1回、夏1回優勝を誇る強豪、常総学院高校の出身。チーム作りでは「江戸崎ボーイズの野球」というような型は作らないようにしているというが、そこには名将と呼ばれた恩師の影響が大きいという。
「集まってきてくれた子たちをチームの型にはめ込んでいくような指導はしたくないんです。常総学院の木内幸男監督がそういう指導をされる方でしたから。個人能力にはほとんど興味がない方で子ども達にゲームメイクをやらせることで自分も楽しんでいた方でしたから」



チームの型を作らないため、打撃がいいメンバーが揃っている代であれば打撃を前面に押し出したチームを作り、小技ができるメンバーが多い代であれば走塁、バントを多用して勝ちに行く。選手を評価する評価者として、選手1人ひとりがどういう性格でどういうプレーができるのかを評価する。そしてパズルを組み合わせるようにチームを作っていく。どんなパズルが完成するかは毎年分からない。

【カバーリングを通じて高める野球IQ】


渋谷監督が今年のチームで重要視しているのは守備とカバーリングの徹底。バッティングのフルスイングのように、守備も目一杯やろうと思うと中学生の技術だと力が入って暴投が多くなってしまう。では送球練習をたくさんやらせるとなると、成長期の選手達の肩、肘への影響が懸念される。そうなると、必然的に練習することが見えてくる。それはカバーリングの徹底だ。暴投がある程度起こる前提でミスを最小限に抑えることを目指すのだ。



例えばレフト前ヒットを打たれたとき、レフトはボールを処理してショートに返球をする。このときにセンターはファーストベースとセカンドの延長線上にダッシュする。
他のチームから見ればこのセンターの動きは「?」に見えるかもしれない。

センターの動きを解説するとこうなる。
打者走者の1塁オーバーランが大きかった場合、レフトからの返球を受けたショートはファーストに投げてバッターランナーを刺しにいく。このとき、ライトとキャッチャーはボールが逸れたときの為にファーストベースのカバーリングに入る。先ほど話したように「ある程度の暴投」が発生することを想定した動きだ。実際にボールが逸れればカバーリングの選手がボールを捕り、セカンドベースに投げる。この時セカンドへの送球も「ある程度の暴投」を想定しておかなければいけない。そのカバーリングに入るのがセンターというわけだ。

頻繁に起こるようなプレーではないが、このチームではそこまでを想定して野手が動く。
「ボールの流れに合わせて動くチームは多いと思いますが、全ての打球に対してそのように一歩先、二歩先のプレーを予測してカバーリングを行うチームはあまりないと思います。こういったプレーは1年生の段階から徹底して練習します」

「チームの伝統だからこう動いている」では意味がない。実戦練習ではわざと暴投やエラーなどもさせて、本当にカバーリングはその位置でいいのかなど、そのプレーの必要性を理解させている。
「カバーリングをしっかり教えること、それが子ども達の野球IQの向上にもものすごく繋がっていると思います」
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