好きなスポーツを純粋に楽しむことができるチーム
——他のチームにはない、このチームの特徴はどんなところにありますか?
子ども達が自分で考えて主体的に好きなスポーツに取り組むことができることですね。あとは高校野球をやる準備だとか強豪高校に行くためとか、そういうことを目的にやっていないということです。好きなスポーツを純粋に楽しむこと。好きだから、上手になりたいから、試合に勝ちたい、だから野球をやっている、そういう点がこのチームの特徴だと思っています。
——指導するうえで意識していることがあれば教えてください。
自分が子どもたち側に下りて、目線を下げることですね。そこを意識しないと指導が上から目線になりがちなので、とにかく目線を下げることですね。
——チームを設立してから今まで一番苦労したこと、大変だったことは?
苦労したと言いますか、さっき話したことですけど、そうなるはずがないと思っていたことに自分がなってしまったことですね。勝利の魔力に引きつけられたといいますか、勝つことを第一に求めて子ども達に「野球をやらせる」「指導者の勝ちたいを押し付ける」指導をしてしまったことです。
——去年の秋からはリトルシニア以外にポニーのチームも立ち上げられています。そこにはどんな意図があるのでしょうか?
単純に子ども達を公式戦に出してあげたいからですね。一生懸命に練習している子どもには失敗して成長する機会が必要です。もちろんポニーの理念が素晴らしいというのもありますが、つくばベースボールクラブとしてシニアとポニーと2つのチームを持つことによって、より多くの子ども達が公式戦にでることができる、それが大きいですよね。
——ポニーを立ち上げたことによる子ども達の変化はありますか?
ポニーはリーグ戦ですので秋は6試合戦うことができました。公式戦に出られなかった子達が試合に出られるようになった。そこで失敗を経験する。今度は失敗しないために練習に取り組む。彼らにとってそのサイクルが初めてうまれたんじゃないかなと思います。(取材・写真:永松欣也)
インタビュー後編に続きます。