ニュース 2022.03.07. 14:36

選手の主体性を重んじる「つくば中央リトルシニア・つくば中央ポニー」(後編)

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勝つこと、野球による高校への進学を目的としない。少年野球人口の減少が叫ばれる中で野球の普及モデル構築を目指す中学硬式野球チーム、つくば中央リトルシニア・つくば中央ポニー (一般社団法人 つくばベースボールクラブ)。選手の主体性を重んじ、効率よく質の高さを意識した練習で選手達を決してお腹いっぱいにはしない。そんなチームの代表である堀田哲也さんにチーム立ち上げの経緯やチームに込めた想いなどについてお話を伺いました。




子ども達が野球を好きなまま、そのまま続けていく環境を作る


——少年野球、中学野球の人口が減少していますが、堀田さんは原因をどこにあると考えますか?

一番は野球界の古い体質であり、時代に合わせた変化に取り残されていることにあると思います。
そして現場では大人もその影響を受けた子どもも「何のためにスポーツをやっているのか」という目的を見失っているように思います。最初どのような想いで野球をはじめたのでしょうか。好きで楽しいから始めたはずが、いつの間にか目的が変わっている。
子ども達が怒られないために大人の目を見て行動し、指示通り動くことを強いられているスポーツの現場を見て面白いと思うでしょうか。
親としたらそういうチーム、現場を見てしまうと子どもに野球はやらせたくないと思いますよね。

——それを食い止める、改善するためには何が必要になりますか?

子どもと保護者に「野球っていいよね」と思ってもらえるような環境をどんどん増やしていくことではないでしょうか。選手が親になった時に、子どもが野球をやりたいと言ったときに「野球っていいよ」って素直に言える、そういうサイクルを作らないといけないと思います。つまり子ども達が野球を好きなまま、そのまま競技を続ける、もしくは違う目標に進んでいくことができる環境を作るということですよね。



——強豪高校などでレギュラーだった人達が「自分の子どもに野球はやらせたくない」と言っている人もたまにみかけますね。

野球を続けながらも「野球って嫌だなぁ」と思う子どもをずっと生み出し続けてきたということですよね。だから子どもが大谷翔平選手の活躍を見て「野球がやりたい!」と思っても、大人がストップをかけるようなことになっているのではないでしょうか。嫌な思いをした保護者も同様です。



好きなスポーツを思い切り楽しむ


——勝利至上主義はどういうところが問題だと思いますか?

主体が子どもにないことですよね。親、指導者が主体になってしまっていることに問題があると思います。子ども達が主体となって勝利を目指すことはスポーツですので当然です。スポーツは勝敗を競うものですから。だから子ども達が勝利を目指しているのか、大人が勝利を目指しているのか、ということですよね。なぜ現場が「勝利至上主義」になってしまうのか。その要因を考えることが重要です。トーナメントとリーグ戦の違いも影響が大きいと思いますね。

——そういった主張も結果を残さないと周りが耳を傾けてくれないとか、結局は強いチーム、強豪高校に選手を輩出しているチームのやっていることの方が支持される風潮みたいなものがあると思います。そのあたりはどう思いますか?

ひとことで言えば悔しいですよね。でもだからといって、うちはこの形で勝って証明するんだとは思わないです。それは目的がそもそも違うからですね。野球による高校への進学、強豪高校に入ることを目的としている子どもと保護者がいて、その需要にマッチするチームがあって、一方でうちは好きなスポーツを思い切り楽しむという目的でやっていますから。



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