ニュース 2022.03.31. 19:08

「甲子園夢プロジェクト」と慶應義塾高校野球部の対面合同練習会

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3月6日、慶應義塾日吉台野球場で、甲子園を目指す知的障碍児の集まりである「甲子園夢プロジェクト」と、慶應義塾高校硬式野球部との対面合同練習会との対面練習会が行われた。




【みんな野球をする仲間】


「甲子園夢プロジェクト」は、東京都立青鳥特別支援学校の、久保田浩司主任教諭によって設立された。

久保田教諭はもともと大学まで野球をやり、卒業後は高校野球の指導者になるべく教員試験を受けて東京都に採用されたのだが、配属されたのは養護学校、今の特別支援学校だ。久保田教諭は意気消沈したが、生徒たちにソフトボールの指導をするうちに知的障碍者が支援学校の生徒が健常者のチームに勝つなど、様々な変化が見られ、野球をするメリットを確信するに至ったのだ。

そこで2021年、全国の知的障害のある子たちに“甲子園目指して野球をやりませんか”という呼びかけを行った。全国から予想以上の反響があり「甲子園夢プロジェクト」を設立するに至った。

昨年3月27日に最初の練習会を行い、全国から志望者が集まった。さらに4月(オンライン)、6月、10月と4回の練習会を行う中で、全国には野球が大好きな知的障碍者がたくさんいることが分かった。中には、高校生と一緒に練習してもほとんどそん色がないレベルの生徒もいた。

久保田教諭は昨年『甲子園夢プロジェクトの原点』という本も著し、特別支援学校が各地の高野連に加盟し、甲子園の予選にチャレンジすることの意義を訴えかけた。
そして今年、プロジェクトに参加する選手たちに、さらに本格的に野球に触れてもらうために、慶應義塾高校硬式野球部との練習会を企画した。

「ご紹介くださった方を通じて、慶應義塾高校にお願いをしたのですが、森林貴彦監督は即答でご承諾くださいました」
久保田教諭は語る。

当初は1月29日に慶應義塾のグラウンドで行う予定だったが、新型コロナ禍のためにリモートのミーティングとなった。この日は慶應義塾高の選手約100人と「夢プロジェクト」の生徒、森林監督、久保田教諭などが参加、慶應義塾高校の野球の考え方、野球をすることの喜びや、怪我、故障の苦しさなどについて意見交換を行った。



満を持して3月6日、快晴の空のもと、慶應義塾日吉グラウンドに「甲子園夢プロジェクト」の参加者がやってきた。遠くは京都、静岡、そして関東圏から中学、高校生が参加。集まった生徒たちは、球場の門前で久保田教諭の説明を聞き、大きな声をあげた。これまでの練習会を通じて、生徒たちはこれからわくわくするような体験が始まることを知っている。その期待感が大きなかけ声になったのだ。



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