ニュース 2022.03.31. 19:08

「甲子園夢プロジェクト」と慶應義塾高校野球部の対面合同練習会



慶應義塾高校側は2年生の主力選手がファーストユニフォームで参加、「夢プロジェクト」の生徒1人に慶應の選手1人がつく「マンツーマン」の形で一緒に練習を体験した。

慶應義塾高校が普段行っているランニング、ウォームアップを行ったのちに、キャッチボールへ。
「夢プロジェクト」の生徒たちの野球のレベルはまちまちだ。高校球児とそん色のない技量の生徒もいれば、まだ捕球、投球が覚束ない生徒もいる。しかしパートナーになった慶應の選手たちは彼らの動作に合わせて丁寧に対応している。



続いて硬球を使ってのノック、「夢プロジェクト」の生徒の横に、パートナーの慶應の選手がついて、1球1球声援をおくる。「ナイスキャッチ!」と励ましたり、飛球の位置を指示したりしている。なかには難しい打球を見事に処理する生徒もいる。併殺プレーを見事に完成させて、大きな拍手が上がっていた。



そして打撃練習へ。「夢プロジェクト」の選手たちは、慶應の選手が投げるボールに食らいつき、いい当たりを連発していた。
一方、ブルペンでは「夢プロジェクト」の投手たちが投球練習を始めた。受ける慶應の捕手が「すごい」と声を漏らすような投球も見られた。

そして最後に「夢プロジェクト」の投手が、慶應の2人の打者に挑戦した。2人ともスタメンに名前を連ねる一線級の選手だ。
「夢プロジェクト」の投手は臆することなく投げ、慶應の打者もフルスイングしている。
ジャストミートして本塁打性の打球を飛ばすこともあったが、打ち損ねも見られた。「好勝負」と言う印象だった。



水分補給時間をとりながらの3時間余の練習会。「夢プロジェクト」の生徒と慶應の選手はすっかり打ち解け、笑い合うような光景も見られた。「野球をやる仲間」はみんなすぐに友達になるのだ。

慶應義塾高の森林貴彦監督は、進行を担当し、てきぱきと指示を与えていた。慶應の選手たちもそれに対応していた。進行のスムースさも中身の濃さにつながったのではないか。

この「夢プロジェクト」はそのまま甲子園出場につながるわけではない。
特別支援学校の生徒たちが、野球をすることで意識や身体の様々な変化が見られ、自信をつけていく様を社会にアピールし、その上で、各地の特別支援学校が高野連に加盟申請することで、甲子園への道がつながる。
まだ道のりは長いが、大きな可能性が見えたイベントだった。(取材・文・写真:広尾晃)

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