先日、多賀少年野球クラブ(滋賀)の辻正人監督の少年野球の移籍問題に関する提言が某媒体に掲載されていました。その記事へのコメントを読んで、色々と思うところがありましたので、ちょっと言わせてください。
まず多かったのが移籍を否定するコメント。
「結局、この監督が引き抜きをしやすくなるからだろ」という意見です。
いやいやいやいや!
多賀のこと、何も分かっちゃいませんね。
このチームは引き抜きなんかしなくても十分強いですから。
逆にスーパー小学生がいたとして、その子が途中から多賀に入団したら、多賀の野球を習得できるようになるまで、はっきりいって足手まといになってしまうと思います。
僕は多賀の本も書いてますし、練習も試合も何度も見てきているから言いますが、多賀はスカウティングもセレクションもやっていませんよ。する必要がないんです。なぜなら、未就学児の頃から辻監督が手取足取り、丁寧に、そして楽しく野球の基礎を教えているから。だから多賀の子たちは恐ろしく「野球IQ」が高いです。それが強さの源です。
多賀に限って言えば、「野球IQ」の高い子がどんどん育ってくるので、よそのチームの子をわざわざ引き抜いても意味がないんです。
辻さんが移籍制限を問題視するのは、選手を引き抜くためではなく、チーム選びを間違えた子や、移籍したほうがチャンスが広がるような子たちを、チームに縛り付けるようなルールはおかしいと言っているのです。
ちなみに多賀でさえ、「このチームでは試合に出られないな」と退団する選手もいます。でも辻監督は「別のチームでも頑張れ!」と快く送り出しています。そうやって多賀から移籍していった3人の選手が、移籍先のチームでは皆エースとして活躍していることは本にも書きました。
100人中のほとんどの人が「美味い!」というラーメン屋でも、5人くらいは「不味い!」という人もいます。
アッサリが好きな人もいればコッテリが好きな人もいます。
味噌が好き、豚骨が好き、それは人それぞれです。
100人中100人が「美味い!」という完璧なラーメン屋はなかなかないと思います。
同じように、完璧な少年野球チームも無いと思います。
何が言いたいかといういうと、少年野球は「不味い!」ラーメン屋の割合が多すぎるのかなぁと思うんです。
また、お店に「メニュー」が出されていない店も多すぎると思います。
アッサリ醤油ラーメン屋だと思って入ってみたらコッテリ豚骨の店だったり、下手したらつけ麺しかないお店だったり。
その「美味しい!」と思う人の絶対数が多いのが多賀なんだと思います。
僕は常々、チームを選ぶ選択肢が沢山ある事は良い事だと思っています。
その為には、そのチームがどんな方針なのかをもっと外に向けて明確にするべきだし、チーム選びを間違った時に自由に移籍できるルールと雰囲気を作る事が大事だと思います。
極端なことをいえば、引き抜きをするチームがあってもイイと思います。
そのチームは地域ではどんな噂が立っているか。
引き抜きされて移籍する家庭も、前のチームからどんな事を言われるか。その覚悟で抜ける訳ですから。
そして、そんな事が横行すると人数が成立しなくなってしまうチームが現れる。
そりゃ当然ですよ。
だったら選手がずっといたいと思うチームを作る努力をしたら良いだけの話です。
それこそが指導者を退化させているんです。
努力が無いから淘汰される。
コレって当たり前な事です。
不味いラーメン屋さんにお客さんが集まらないのと同じ事です。
最後に岡山から多賀にホームステイした井澤くんのこともコメントで書かれていましたね。
確かに保護者が思いきったなぁとは思いますが、前のチームが悪いのではなく、多賀が理想的な環境、チームだったから移籍したのでしょう。
ウチも嫁が許せば、息子を多賀にホームステイさせて入団させたかったですよ。
羨ましいです。
藤田憲右(ふじた けんすけ)
吉本興業所属のお笑いコンビ「トータルテンボス」のツッコミ担当。静岡県御殿場市出身。高校時代は野球部のエースとして3年夏の静岡県大会で2試合連続1安打完封勝利も記録。人気バラエティ番組「アメトーーク」(テレビ朝日)の人気企画「高校野球大大大好き芸人」で披露した高校野球への愛情、造詣の深さは全国の野球ファンの間でも有名。2016年には「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)も執筆しており、全国の野球指導者、選手との交友関係も広い。現在は息子の学童野球を応援する傍ら、色々な学童野球の現場を見て周り様々な情報発信や問題提議なども行っているほか、オンラインサロン「トータル藤田の野球教」も運営。今年3月には「『卒スポ根』で連続日本一! 多賀少年野球クラブに学びてぇ! これが『令和』の学童野球」(インプレス)も出版。
まず多かったのが移籍を否定するコメント。
「結局、この監督が引き抜きをしやすくなるからだろ」という意見です。
いやいやいやいや!
多賀のこと、何も分かっちゃいませんね。
このチームは引き抜きなんかしなくても十分強いですから。
逆にスーパー小学生がいたとして、その子が途中から多賀に入団したら、多賀の野球を習得できるようになるまで、はっきりいって足手まといになってしまうと思います。
僕は多賀の本も書いてますし、練習も試合も何度も見てきているから言いますが、多賀はスカウティングもセレクションもやっていませんよ。する必要がないんです。なぜなら、未就学児の頃から辻監督が手取足取り、丁寧に、そして楽しく野球の基礎を教えているから。だから多賀の子たちは恐ろしく「野球IQ」が高いです。それが強さの源です。
多賀に限って言えば、「野球IQ」の高い子がどんどん育ってくるので、よそのチームの子をわざわざ引き抜いても意味がないんです。
辻さんが移籍制限を問題視するのは、選手を引き抜くためではなく、チーム選びを間違えた子や、移籍したほうがチャンスが広がるような子たちを、チームに縛り付けるようなルールはおかしいと言っているのです。
ちなみに多賀でさえ、「このチームでは試合に出られないな」と退団する選手もいます。でも辻監督は「別のチームでも頑張れ!」と快く送り出しています。そうやって多賀から移籍していった3人の選手が、移籍先のチームでは皆エースとして活躍していることは本にも書きました。
100人中のほとんどの人が「美味い!」というラーメン屋でも、5人くらいは「不味い!」という人もいます。
アッサリが好きな人もいればコッテリが好きな人もいます。
味噌が好き、豚骨が好き、それは人それぞれです。
100人中100人が「美味い!」という完璧なラーメン屋はなかなかないと思います。
同じように、完璧な少年野球チームも無いと思います。
何が言いたいかといういうと、少年野球は「不味い!」ラーメン屋の割合が多すぎるのかなぁと思うんです。
また、お店に「メニュー」が出されていない店も多すぎると思います。
アッサリ醤油ラーメン屋だと思って入ってみたらコッテリ豚骨の店だったり、下手したらつけ麺しかないお店だったり。
その「美味しい!」と思う人の絶対数が多いのが多賀なんだと思います。
僕は常々、チームを選ぶ選択肢が沢山ある事は良い事だと思っています。
その為には、そのチームがどんな方針なのかをもっと外に向けて明確にするべきだし、チーム選びを間違った時に自由に移籍できるルールと雰囲気を作る事が大事だと思います。
極端なことをいえば、引き抜きをするチームがあってもイイと思います。
そのチームは地域ではどんな噂が立っているか。
引き抜きされて移籍する家庭も、前のチームからどんな事を言われるか。その覚悟で抜ける訳ですから。
そして、そんな事が横行すると人数が成立しなくなってしまうチームが現れる。
そりゃ当然ですよ。
だったら選手がずっといたいと思うチームを作る努力をしたら良いだけの話です。
それこそが指導者を退化させているんです。
努力が無いから淘汰される。
コレって当たり前な事です。
不味いラーメン屋さんにお客さんが集まらないのと同じ事です。
最後に岡山から多賀にホームステイした井澤くんのこともコメントで書かれていましたね。
確かに保護者が思いきったなぁとは思いますが、前のチームが悪いのではなく、多賀が理想的な環境、チームだったから移籍したのでしょう。
ウチも嫁が許せば、息子を多賀にホームステイさせて入団させたかったですよ。
羨ましいです。
藤田憲右(ふじた けんすけ)
吉本興業所属のお笑いコンビ「トータルテンボス」のツッコミ担当。静岡県御殿場市出身。高校時代は野球部のエースとして3年夏の静岡県大会で2試合連続1安打完封勝利も記録。人気バラエティ番組「アメトーーク」(テレビ朝日)の人気企画「高校野球大大大好き芸人」で披露した高校野球への愛情、造詣の深さは全国の野球ファンの間でも有名。2016年には「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)も執筆しており、全国の野球指導者、選手との交友関係も広い。現在は息子の学童野球を応援する傍ら、色々な学童野球の現場を見て周り様々な情報発信や問題提議なども行っているほか、オンラインサロン「トータル藤田の野球教」も運営。今年3月には「『卒スポ根』で連続日本一! 多賀少年野球クラブに学びてぇ! これが『令和』の学童野球」(インプレス)も出版。