中学生に野球の楽しさと面白さを再発見してもらう野球大会『座間ひまわりカップ』が、7月の終わりに神奈川県相模原市の上溝中学で開催された。
このイベントを開催したのは座間ひまわりクラブ代表の榊原貴之氏。榊原氏がイベントを開催した理由は3つある。
・野球本来の楽しさ、面白さを再認識してもらう
・選手の試合出場機会の確保と実戦経験を積んでもらう
・指導者にコーチングを勉強してもらう機会を提供する
中学野球に限らずだが、小学校から高校まで公式戦と言えばほとんどがトーナメント戦。負けたら終わりの戦いであるため、ミスが許されない。そうなると日頃の練習や試合でも、指導者は子ども達のミスを許容するゆとりがなくなり、ついつい大声で叱責をしてしまいがちだ。それではスポーツ本来の楽しさや息抜き、娯楽と言った要素が影を潜めてしまう。
「トーナメント戦だと負けたら終わりなので試合に出場できる選手と出来ない選手が出てきますよね。でも(クラブチームであれば特にそうだが)毎月月謝を払っているのですから、本来はみんな平等公平に試合に出してあげないといけないと僕は思うんです。だから今回のイベントのように、どんな選手も試合に出られるし、打席に立てる、みんなと同じように試合に参加できるということが、本来の野球の姿なんじゃないかなと思うんです」(榊原氏)。
このイベントには「野球の楽しさと面白さを再発見」してもらうため、参加チームをシャッフルして即席チームで試合を行うことや、全員が全ポジションを守るなどいくつかの仕掛けが用意されていた。なかでも特にユニークなのはマウンドから打者までの距離を12mとし、ピッチャーの前に防球ネットが置かれていたことだ。その狙いについて榊原氏はこう説明してくれた。
「ピッチャーの前にネットを置くのは安全対策というのももちろんですが、距離が近いからストライクが取りやすいのでどんな子もピッチャーができるんです。また目の前のネットを越えるには山なりのボールを投げないといけないため、必然的に球速が遅くなります。そうなるとバッターが打ちやすいボールになりますよね。やっぱり打てないと試合はおもしろくないですからね(笑)。また、どんな放物線を描けばストライクゾーンに投げることができるのか、力の入れ加減や指先の感覚などを普段より意識する事も、投げる練習の一つになりますよね」
いつもと違うのはピッチャーだけではない。バッターも長さの違う4種類の竹バットを使うことがルールとされていた。
野球を楽しむのであれば高反発バットを使った方が子ども達は楽しいのではないか? そんな疑問を榊原氏にぶつけると、その狙いをこう話してくれた。
「このJBというメーカーの竹バットはグリップが細くてトップバランスになっているので、芯に当たれば金属バット並みに飛ぶんです。きちんと芯で捉えないと飛びませんから初めは苦戦していましたけど、午後の試合ではみんな慣れて良い打球を飛ばしていましたよね」
ただ楽しいだけではなく、無意識に技術の向上にも繋がる仕掛けが散りばめられている。それも榊原氏の狙いであり、このイベントの特徴の一つと言えるだろう。
【みんな平等公平に試合に出してあげたい】
このイベントを開催したのは座間ひまわりクラブ代表の榊原貴之氏。榊原氏がイベントを開催した理由は3つある。
・野球本来の楽しさ、面白さを再認識してもらう
・選手の試合出場機会の確保と実戦経験を積んでもらう
・指導者にコーチングを勉強してもらう機会を提供する
中学野球に限らずだが、小学校から高校まで公式戦と言えばほとんどがトーナメント戦。負けたら終わりの戦いであるため、ミスが許されない。そうなると日頃の練習や試合でも、指導者は子ども達のミスを許容するゆとりがなくなり、ついつい大声で叱責をしてしまいがちだ。それではスポーツ本来の楽しさや息抜き、娯楽と言った要素が影を潜めてしまう。
「トーナメント戦だと負けたら終わりなので試合に出場できる選手と出来ない選手が出てきますよね。でも(クラブチームであれば特にそうだが)毎月月謝を払っているのですから、本来はみんな平等公平に試合に出してあげないといけないと僕は思うんです。だから今回のイベントのように、どんな選手も試合に出られるし、打席に立てる、みんなと同じように試合に参加できるということが、本来の野球の姿なんじゃないかなと思うんです」(榊原氏)。
【山なりボールと竹バット】
このイベントには「野球の楽しさと面白さを再発見」してもらうため、参加チームをシャッフルして即席チームで試合を行うことや、全員が全ポジションを守るなどいくつかの仕掛けが用意されていた。なかでも特にユニークなのはマウンドから打者までの距離を12mとし、ピッチャーの前に防球ネットが置かれていたことだ。その狙いについて榊原氏はこう説明してくれた。
「ピッチャーの前にネットを置くのは安全対策というのももちろんですが、距離が近いからストライクが取りやすいのでどんな子もピッチャーができるんです。また目の前のネットを越えるには山なりのボールを投げないといけないため、必然的に球速が遅くなります。そうなるとバッターが打ちやすいボールになりますよね。やっぱり打てないと試合はおもしろくないですからね(笑)。また、どんな放物線を描けばストライクゾーンに投げることができるのか、力の入れ加減や指先の感覚などを普段より意識する事も、投げる練習の一つになりますよね」
いつもと違うのはピッチャーだけではない。バッターも長さの違う4種類の竹バットを使うことがルールとされていた。
野球を楽しむのであれば高反発バットを使った方が子ども達は楽しいのではないか? そんな疑問を榊原氏にぶつけると、その狙いをこう話してくれた。
「このJBというメーカーの竹バットはグリップが細くてトップバランスになっているので、芯に当たれば金属バット並みに飛ぶんです。きちんと芯で捉えないと飛びませんから初めは苦戦していましたけど、午後の試合ではみんな慣れて良い打球を飛ばしていましたよね」
ただ楽しいだけではなく、無意識に技術の向上にも繋がる仕掛けが散りばめられている。それも榊原氏の狙いであり、このイベントの特徴の一つと言えるだろう。