ニュース 2022.11.11. 16:51

【山田西リトルウルフ】「子どもは忘れる生き物 同じことを100万べん言い続けよう」(棚原安子)

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部員約140名の少年野球チーム「山田西リトルウルフ」(大阪)を率いる“おばちゃん”こと棚原安子さんの著書『親がやったら、あかん! 80歳“おばちゃん”の野球チームに学ぶ、奇跡の子育て』(棚原安子/集英社)。少年野球の指導者、保護者にとどまらず、子育て、教育という観点からも幅広い方々から読まれている本ですが、今回はこの中から第2章の一部を特別にご紹介させていただきます。
おばちゃんは言います、「子ども相手には間違っても、『もうわかったやろう』とは思わないことです。大事なことは『まだこびりついてないやろう。もう1回、もう2回……』と、何回でも繰り返し言わないといけない」。




子どもは忘れる生き物 同じことを100万べん言い続けよう


子どもの脳はよく「乾いたスポンジ」にたとえられます。一瞬にして水分を吸い込むように、新しい言葉も知識も次々に身につけていくからです。

たしかに子どもは何でもすぐに覚えます。その一方で、大事なことをよく忘れるのも子どもです。大人はその特性をわかったうえで子どもに接し、話をしなければいけません。こちらがいくらいいことを伝えて、子どもも真剣に聞いていたとしても、次の瞬間にはまったく頭に残っていない……。そんなことはしょっちゅうあるからです。だから、大事なことは何回でも言い続けないといけないのです。

子どもたちからよく「おばちゃんは同じ話が多い」と言われます。そんな時は「大事な話は頭にこびりつくまで言わなあかんねん。だからおばちゃんは100万べんでも言うで」と返します。「100」ではなく「100万」。子ども相手には間違っても、「もうわかったやろう」とは思わないことです。大事なことは「まだこびりついてないやろう。もう1回、もう2回……」と、何回でも繰り返し言わないといけない。大人に根気がないと、子どもには深く伝わっていきません。

大人になったウルフの卒団生と会った時、「おばちゃんの言葉をたまに思い出して、子どもに今同じことを言ってます」と言われることがあります。そんな言葉を聞くと、「あぁ、頭にこびりついとったんやな」とうれしくなりますが、そこに達するまでに何百、何千、何万……と言っていたんやろうなぁと、自分のことながら途方もなく感じることがあります。人に何かを伝える、気づかせるということは、それほどエネルギーのいることなのです。

その一方で、人間は言葉によって深く傷つけられると、その言葉も一生頭から離れなくなります。いくら忘れたくても、消えないのです。言葉は人を喜ばせ、元気づけ、人を変える力を持ちますが、一言でその人を殺してしまうこともあるのです。

私は学生時代にいじめを受け、その経験から言葉の恐怖を痛感しました。今は体罰やパワハラが問題視されていますが、人間にとって本当にこたえるのは殴られることより心を壊されるような言葉を受けた時です。だから子どもたちには「言われてイヤな言葉は絶対に人にも言うな」と伝えています。それでも子ども同士の世界では、言葉がきっかけで些細なトラブルが起きがちです。そんな時は、「まだまだ言い足りんかった。100万べん言わなあかんな」と思って、また伝えていきます。

「親がやったら、あかん! 80歳“おばちゃん”の野球チームに学ぶ、奇跡の子育て」(棚原安子/集英社)より
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