【地域と一体となった野球振興の新しい形】
この大会の始球式には、座間市長である佐藤弥斗氏が駆けつけた。こういった地域の取り組みを行政にも認知してもらうことは、今後の同地域の野球振興にも大きく影響するはずだ。また、このような大会を通じて、中学校の部活動と地元のクラブチームが良好な関係を築くことで子どもたちの様々な受け皿を構築することにつながり、教職員の方々の働き方改革の手助けや、部活動の地域移行の一つの切り口ともなり得るはずだ。
閉会式では、活躍した選手たちに副賞が贈られた。1つ1つのプレーに独自のポイントが設定されており、試合をしながら選手たちが自分のポイントを計算することになっていた。打撃部門、走塁部門、投手部門、守備部門とそれぞれ個人賞が授与され、総合得点でMVPも表彰された。
副賞として提供された賞品の多くは地元企業から協賛で受けたもの。さらに大会の参加賞として、選手の家族が地元飲食店で特典が受けられるようなサービスも設けられており、野球離れが進む時代にあって、地域と一体となった野球振興の新しいモデルケースともいえる、面白い取り組みだった。
イベントを主催した榊原氏は「同一市内の中学校部活動チームと私設クラブチームが合同で開催したことに大きな価値があると思っている」と話す。そして、こう続ける。
「本来であれば、両者は選手を奪い合う立場のはずです。でも実際のところ、選手や各家庭ではそれぞれスポーツに対するモチベーションが違います。そういう部分に選択肢を持たせてあげるのが我々の大切な仕事だと思っています」
・中学生参加チーム
座間市立東中学校
座間市立西中学校
座間市立南中学校
座間市立座間中学校
座間市立相模中学校
座間市立栗原中学校
座間ひまわり野球俱楽部
・小学生参加チーム
座間パワーズ
相模が丘ブラザーズ
座間フェニックス
座間ビーバーズ
(取材・文:編集部、写真:榊原氏提供)