■控えの選手、若手指導者にも学びの場となる
早稲田摂陵は、リーグ戦に参加して3年目、對間直也部長は
「試合になかなか出ることができない控えの選手にモチベーションを与える意味は大きいですね。試合をする中でできたこと、出来なかったことが見えてくる貴重な機会です。また試合に出るためにはどんな準備が必要かもわかってきます。
低反発金属バットですが、うちは打撃練習でしっかり上から出して芯でとらえることを心がけています。これは監督の教えにも通じていて、いい形でやらせてもらっています」
と語った。
Ligaは若手指導者にも多くの経験をさせる機会になる。大阪府立香里ケ丘高校は2年生と1年生の2つのチームで参加しているが、1年生チームは、新任教員の米花拓樹部長が采配を執っている。
「お話聞いてすごくいい取り組みだなと思いました。1年生は16人いますが、全員が試合に出ることができて役割を任せてもらえますから全員がパワーアップできるんじゃないでしょうか?
私は低反発金属バットで打ったことがないのでよくわかりませんが、球数制限については少ない球数で勝負をすると言うことで、ストライクをテンポよく投げていかなければなりませんから勉強になります。
私も投手出身ですが球数を投げれば投げただけ良いと言う価値観は違うと思っています。限られた球数で打者と駆け引きし、技術を覚えるのは良いことですね。
スポーツマンシップの勉強は正直、驚きました。でも、リモートをうまく活用して学ぶことができるのは、私の現役時代にはなかったので、良いことだと思います。
Ligaで試合の采配をして、まだまだのところはありますが、指導者としての自覚が持てるようになってきました。
1年生の中でキャプテン、副キャプテンを選ぶのですが、キャプテンになった子はチーム全体のことをよく考えるようになりました。成長したのではないでしょうか。全員出場で、全員が成長するのが目標です」
まだコロナに感染する高校生がいる中で、選手たちは「野球ができる」喜びをかみしめながら2022年のリーグ戦を戦った。来季にも期待したい。(取材・文・写真:広尾晃)