東京都のド真ん中、麹町にある『MTX ACADEMY』。ここでチーフトレーナーとして、現役メジャーリーガーから小学生まで幅広い年代の選手を指導する木村匡宏さん。そんな木村さんが昨年3月に軟式中学野球クラブ『KOJIMACHI HEROES BASEBALL CLUB』(以下「ヒーローズ」)を立ち上げ監督を務めている。トップトレーナーが監督を務めるチームとはどんなチームなのだろうか?
——なぜトレーナーである木村さんが中学軟式野球チームをはじめることになったのでしょうか?
アカデミーの会員さんのお父さんからお声かけ頂いたのがきっかけとなりました。その方は『麹町野球クラブ』というチームを長年率いてこられた方だったんです。年々、野球をする中学生が減ってきて、チームの存続が難しい状況の中で、野球発祥の地でもある千代田区でなんとか野球チームを存続させたいという熱い想いを聞かせて頂き、一緒にチーム運営をさせていただくことになりました。
——今年の3月に立ち上げて、1人だったところから半年で14人に増えています。どのようにして増えたのでしょうか?
MTXアカデミーにも、中学生になったらどこで野球をやったらよいかと、よりよい環境を求めていらっしゃる方たちがいて、まずは、興味がある方たちに集まっていただいて、チーム説明会を開催しました。あとは、千代田区の学童野球チームに所属しているメンバーの子たちも、麹町HEROESを選択して入ってきてくれました。
——ヒーローズは軟式のクラブチームですが、硬式にはない軟式のメリットはどの辺にあると思いますか?
まずは環境面です。軟式ボールは、都内近郊でも比較的軟式野球ができるグラウンドがあって、安全に野球ができることです。2つ目は、道具面です。中学生は、成長期の真っ只中で、バットも軽量で、ボールを打つ衝撃などが、硬式に比べるとやさしいので、身体に負担をかけないところです。一方で、ボールの規格がM球となって、硬式ボールと大きさがほぼ同じで、そこまで弾まなくなったので、高校から硬式ボールになっても以前ほどの違いはないんじゃないかと感じてます。最後に、野球の質的な面です。これは実際に初めて見て改めて気づいたのですが、軟式野球は試合展開がコンパクトに進んでいくので、守備、走塁など、野球というスポーツを子どもたちと指導者が体験を通じて学んでいく
のにとても適しているのではないかと感じるようになりました。
——この年代の子ども達を指導する上で難しさを感じる部分はありますか?
全部です(笑)。中学生は、思春期というとても大切な時期を生きていますし、まだまだ成長の途中です。脳の機能で言えば、抑制機能がまだまだ発達の段階ですので、気持ちの面でも振れ幅が大きいですし。HEROESは、今年からのチームで先輩という良いモデルがいない状態なので、たとえば、強豪校など、先輩の良き姿が、チーム活動のなかで、自然と受け継がれていくようなことが、まだ起こり得ないので、すべてをイチからみんなで作り上げていく意識が必要です。
——中学生は体の成長、変化もすごい時期ですが、その時期にトレーニングを行う難しさもあるのでしょうか?
もちろんあります。しかし、MTXアカデミーには6年間で、メジャーで活躍する選手から、現役プロ野球選手、社会人、大学生、高校生、中学生、小学生とたくさんの方に利用していただいているおかげで、データが蓄積されいます。
ですので、チームなのですが、ひとりひとりの個別性へのアプローチも大切にしています。そうすると、メンバーひとりひとりが主体的にチーム活動に関わってくれるようになっていきました。HEROESは練習時間は大体4時間ですが、数をこなすこと、量も大切にしています。たとえば、スローイングスキルをあげる練習をするときは、必要な要素を分解してドリル化し、反復練習をしながら、段階を追ってスキルアップするとりくみもしています。もうひとつは、スタッフと選手たちが、今日やることを理解することを大切にしています。
——理解するというのは具体的に?
まずやることのイメージを言葉で揃えていきます。なぜかというと脳の前頭葉で自分たちがやることを理解して、イメージができた状態から体に落としていく必要があるからです。この流れを作っていくことを意識しています。「何をやるか分からない」という状態から、「何をしたら良いか分かる」という状態を作る、それが中学生を指導する上で一番大事だと思っています。
【トレーナーが考える軟式野球のメリット】
——なぜトレーナーである木村さんが中学軟式野球チームをはじめることになったのでしょうか?
アカデミーの会員さんのお父さんからお声かけ頂いたのがきっかけとなりました。その方は『麹町野球クラブ』というチームを長年率いてこられた方だったんです。年々、野球をする中学生が減ってきて、チームの存続が難しい状況の中で、野球発祥の地でもある千代田区でなんとか野球チームを存続させたいという熱い想いを聞かせて頂き、一緒にチーム運営をさせていただくことになりました。
——今年の3月に立ち上げて、1人だったところから半年で14人に増えています。どのようにして増えたのでしょうか?
MTXアカデミーにも、中学生になったらどこで野球をやったらよいかと、よりよい環境を求めていらっしゃる方たちがいて、まずは、興味がある方たちに集まっていただいて、チーム説明会を開催しました。あとは、千代田区の学童野球チームに所属しているメンバーの子たちも、麹町HEROESを選択して入ってきてくれました。
——ヒーローズは軟式のクラブチームですが、硬式にはない軟式のメリットはどの辺にあると思いますか?
まずは環境面です。軟式ボールは、都内近郊でも比較的軟式野球ができるグラウンドがあって、安全に野球ができることです。2つ目は、道具面です。中学生は、成長期の真っ只中で、バットも軽量で、ボールを打つ衝撃などが、硬式に比べるとやさしいので、身体に負担をかけないところです。一方で、ボールの規格がM球となって、硬式ボールと大きさがほぼ同じで、そこまで弾まなくなったので、高校から硬式ボールになっても以前ほどの違いはないんじゃないかと感じてます。最後に、野球の質的な面です。これは実際に初めて見て改めて気づいたのですが、軟式野球は試合展開がコンパクトに進んでいくので、守備、走塁など、野球というスポーツを子どもたちと指導者が体験を通じて学んでいく
のにとても適しているのではないかと感じるようになりました。
【大事なのは「理解してイメージすること」】
——この年代の子ども達を指導する上で難しさを感じる部分はありますか?
全部です(笑)。中学生は、思春期というとても大切な時期を生きていますし、まだまだ成長の途中です。脳の機能で言えば、抑制機能がまだまだ発達の段階ですので、気持ちの面でも振れ幅が大きいですし。HEROESは、今年からのチームで先輩という良いモデルがいない状態なので、たとえば、強豪校など、先輩の良き姿が、チーム活動のなかで、自然と受け継がれていくようなことが、まだ起こり得ないので、すべてをイチからみんなで作り上げていく意識が必要です。
——中学生は体の成長、変化もすごい時期ですが、その時期にトレーニングを行う難しさもあるのでしょうか?
もちろんあります。しかし、MTXアカデミーには6年間で、メジャーで活躍する選手から、現役プロ野球選手、社会人、大学生、高校生、中学生、小学生とたくさんの方に利用していただいているおかげで、データが蓄積されいます。
ですので、チームなのですが、ひとりひとりの個別性へのアプローチも大切にしています。そうすると、メンバーひとりひとりが主体的にチーム活動に関わってくれるようになっていきました。HEROESは練習時間は大体4時間ですが、数をこなすこと、量も大切にしています。たとえば、スローイングスキルをあげる練習をするときは、必要な要素を分解してドリル化し、反復練習をしながら、段階を追ってスキルアップするとりくみもしています。もうひとつは、スタッフと選手たちが、今日やることを理解することを大切にしています。
——理解するというのは具体的に?
まずやることのイメージを言葉で揃えていきます。なぜかというと脳の前頭葉で自分たちがやることを理解して、イメージができた状態から体に落としていく必要があるからです。この流れを作っていくことを意識しています。「何をやるか分からない」という状態から、「何をしたら良いか分かる」という状態を作る、それが中学生を指導する上で一番大事だと思っています。