【大人の方が学ぶことが多かった?】
二日間にわたって行われた大会はオール城陽2022の優勝で幕を閉じましたが、各チームの指導者の方々に、大会の感想などを話を伺いました。
■オール城陽2022・西出コーチ
私たちのチームでは指導者と子どもの人間関係がしかっりできていると思っていますので、日頃はちょっと厳しいことも言っています。でもこの大会は「怒声・罵声禁止」ですので、初めて私たちのチームを見る人には怒声罵声と捉えられかねませんから、その辺を今日は特に意識しました。
ただ、やはり小学生なので、ちょっと気が抜けてしまったり、集中力を欠いているところもあったので、そういう時に怒声罵声と思われないような言い方で、どんなふうに声をかけたら良いだろうかと、試合中にいろいろと考えさせられました。その辺は、日頃の練習からどうしていくべきか、今後の課題をいただいたと思っています。
■乙訓オールスターズ・大澤監督
私たちのチームでは普段から怒声罵声はないので、特にこの大会で意識することはありませんでした。(少年野球の現場に)怒声罵声がいらないのは間違いないです。主役は子どもなんですから。
高反発バットが禁止の大会でしたが、(それに頼っていては)子ども達のバッティング技術も上がらないので、こういった試合は大切。良い経験になったと思います。
■宇治オールスターズ・金子監督
高反発のバットを使っている子どもは、バットに当たるだけで飛距離が出てしまうので、バッティング技術が低下していると思います。その辺は少年野球界全体の課題だと思うので、こういう大会は子ども達のためにも良いと思います。
私は古いタイプの指導者ですので普段は厳しく言うこともあります。でも今日の子ども達は、伸び伸び楽しそうにやっていて、良い勉強をさせていただきました。
■勝央ボーイズ・石原監督
私たちのチームの基本は、試合はいつも笑顔で、楽しく! という方針です。ちょっと子どもたちがダラけているときとかに厳しくいうこともありますけど、それも年に1、2回くらいです。ですので、今日もいつも通り、楽しく野球ができたと思います。少年野球は遊びの延長でOKだと思っていますから。
今回はコロナの影響でできていなかった3年ぶりの遠征になりましたし、子ども達も試合後のBBQも楽しみにしていました。全国的な強豪の多賀さんと試合をさせて頂くのも非常に楽しみにしていました。辻監督の子どもへの話しかけ方とかには、学ぶところが多くて感心しながら見ていました。
最後に、今回なぜこのような大会を行ったのか、主催した株式会社スポーツバックスの萩原雄一さんに話を聞きました。
「私も息子が少年野球をやっていますが、携わる中で違和感を感じることが多々あります。少年野球をアップデートしていきたいと思っていたところに、『LOGOS』に勤める前職の先輩と『スポーツ×アウトドアで何か一緒にやれないか』という話から始まりました。そこに、親交もあった、『世界一楽しく、強く』を掲げる多賀少年野球クラブの辻監督にもご相談させて頂き、いろんなアドバイスなどもいただいて今回の開催に至りました。
野球をやっていると土日は基本的に家族で出かけることもなかなかできません。そういったことも、もしかしたら子どもを少年野球チームに入れることのハードルを高くしているのかもしれません。それであれば、野球を思い切り楽しんだあとに、そのまま直ぐに家族や仲間達と遊べるような大会があっても面白いと思ったんです。
今回は初めて主催し、子ども達はもちろんですが、大人の方が終始笑顔だったことが嬉しく、来年以降も開催し恒例になればと思っていますし、他のスポーツでも開催していきたいと思っています」
少年野球人口が減少している現在、今回のような新しい切り口の大会に大きな可能性を感じます。今後、このような「少年野球+○○」にような大会、イベントが全国でも広がって欲しいなと願わずにいられない二日間でした。(ヤキュイク編集部)