ニュース 2023.04.28. 11:01

「育成」と「多様性」を大事にする、創設3年目の横浜港北ポニー


■中学年代だからこそ大事にしたい「多様性」


チームには中学から野球をはじめた選手が3人いる。一方で、昨年はU15日本代表の選考に残った選手もいた。選手の技術レベルは様々だ。
様々なのは技術レベルだけではない。自分で色んな高校の野球部をリサーチする選手もいれば、高校で野球を続けるか分からない選手もいる。水泳でジュニアオリンピックに出場している〝二刀流〟の選手もいる。
そういった、様々なレベルの選手がいること、様々な考えや背景を持った選手がいることをチームはマイナスだと捉えていない。むしろ、多様性に触れることができる良い機会だと捉えている。そのうえで、チームの全員を仲間だと受け入れ、お互いのことを尊重しあうことが、中学生年代の選手たちにとっては大事なことであるとチームは考えている。



横浜港北ポニーでは他のスポーツの掛け持ちだけでなく、学業との両立も重視している。塾で練習を休むのはもちろんOK。取材に伺ったこの日も、塾に通うために練習の途中で帰るという、中学硬式野球のグラウンドでは珍しい光景も見られた。
珍しい光景といえば、数名のお父さんがグラウンドのなかでノックやバッティング練習などを手伝い、フリーバッティングではキャッチャーを務めるお父さんの姿までも見られた。もちろん、強制的にやらされているわけではなく、お父さんたちが進んで協力をしてくれている。
チームを率いる菊池栄次郎監督はこう話す。
「グラウンドで子どもと一緒に野球できるのは中学生まで。なるべく中学の間は積極的にお父さんにも練習に関与してもらいたいと思っています」

チームの定員は1学年15人に設けている。創設まだ3年目だが今年の1年生は直ぐに定員に達した。全国大会出場や強豪高校への進学を目標としない「育成」をメインに掲げるチームだが、その評判は徐々に浸透している。
横浜港北ポニーは、良い意味で「少年野球」の雰囲気の残る、中学硬式野球チームだ。(取材・文・写真:永松欣也)

< 1 2

ポスト シェア 送る

もっと読む

連載・コラム
カラダづくり
練習
お役立ち
チーム紹介
TOPICS