ニュース 2023.06.16. 18:47

子どもが出す「腰痛サイン」と腰痛予防エクササイズ


【子どもが出す腰痛サイン】


分離症(疲労骨折)は痛さの程度もそこまで強くない場合もあり、またその子が痛みに強い子であればプレーを継続できてしまうそうです。
「痛いけどプレーはできる」ということは、実はとても厄介なことだと押川先生は話します。

「骨にひびが入って、それが大きくなっている時期はそこに炎症が起こっているので痛みを感じます。それでもプレーを続けていると、やがて完全に分離してしまいますが、完全に分離すると痛みがなくなる場合が多いです。そうすると『痛みがなくなった!』『腰痛が治った!』と子どもは勘違いしてしまいます。
完全に分離すると痛みは減るものの、その後の人生で『椎間板ヘルニア』や『すべり症』を発症する可能性が高くなります。椎間板ヘルニアやすべり症になると慢性的な痺れや鈍痛、急に動いたときに刺すような痛みが出てきます」

痛みを我慢してプレーしてしまう(ひびが大きくなり、炎症が起きている状態)

痛みが減った・なくなった(完全に分離した)からプレーを続ける

分離症のままプレーを続けていると、中学、高校以降のどこかのタイミングで椎間板ヘルニアやすべり症(慢性的な痺れや鈍痛)を発症してしまう

つまり、小学生時代の腰痛を放置することが、将来的には重度な腰痛を引き起こすことに繋がりかねないのです。
「椎間板ヘルニアやすべり症になってしまうと、重度な場合は外科的な手術が完治のために必要になります。腰という大事な部位の手術は怖いものです」

【病院選びも慎重に】

高学年の子どもであれば、親御さんも腰痛を一時的な成長痛と見過ごしてしまう場合もあるかもしれません。押川先生は「腰椎分離症」を疑ってみるケースにつとして次のような例を挙げています。

・4週間以上、痛みが続く
・腰の痛みが左右のどちらか片側から始まった
・痛みが出て中長距離を走れない
・うつぶせの状態で背骨のボコボコした部分を押すと痛い

また、以下のような症状がある場合は「すぐに専門医に受診した方がいい」ケースになるそうです。

・下半身に痺れや痛みがある
・夜間や安静にしているときでも強い痛みがある(楽になる姿勢がない)
・痛みに伴う発熱や倦怠感がある

病院で受診してもらう場合も、整形外科であればどこでも良いというわけではないそうです。

「できればスポーツ選手を多く診察している整形外科で、腰を専門としている先生の受診を仰ぐことが望ましいです。腰椎分離症の一歩手前や分離が進行中の状態だと、レントゲンだけでは分からない場合もあります。完全に分離している状態であればレントゲンでも評価できますが、分離症一歩手前の初期段階で炎症を起こしている状態や、分離の進行段階はMRIによる評価が望ましいです。また、椎間板に関してはMRIによる評価でないと明確な状態が分かりません」

少しでも子どもが「腰が痛い」と訴えてきたら、慎重に見てあげることが大切です。
少年野球は野球の入口。決してゴールではないのですから、無理は禁物です。

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