ニュース 2023.06.30. 20:11

【有馬フレンズ】時代にあわせて変えた指導法と活動体制

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2015年に「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会」に神奈川代表として出場したこともある有馬フレンズ(川崎市宮前区)。そこから毎年全国大会に出られるような強豪チームになりたいところだったが、毎年強いチームを作ることの難しさをその翌年に身をもって経験した。そのことがきっかけで活動体制を見直すことになったという。




【優しくなった監督、それでも怒るときは怒る】


2015年に初めて全国大会に出場した。6年生が多かったことも強かった要因の一つだったが、当時は練習もハードで、子ども達に求めるレベルも厳しかった。グラウンドでは厳しい声も飛んでいたという。
「練習もそうですが、特に挨拶、礼儀などについてはよく怒っていました。ですが、監督(当時)であった私は怒る役目で、コーチや保護者には『怒った後は子ども達をフォローしてください』という役割分担でやっていました」
そう話すのは当時の監督であり、現在は総監督の佐藤裕介さん。



だが、取材に訪れた日はそんな厳しさがあったことが信じられないくらい、練習場所である有馬小学校の校庭には子ども達の笑顔と笑い声が溢れていた。今どきっぽい「楽しく野球をやるチーム」に映った。
「全国大会に出場して以降、変えたんです。それまでは、先ほど話したように私が怒ったあとは『監督はこういう理由で怒っていたんだよ』とフォローしてもらっていたのですが、だんだんと保護者の方にも野球経験がない方も増え、『ここで自分が怒っても理解してもらえないかもしれない。フォローしてもらえないかもしれない』と考えるようになったんです。そういったこともあって、指導スタイルをガラリと変えました。今は総監督という立場で一歩引いて、私がフォローする役目になっています。
OBがよくグラウンドにきてくれるんですけど『監督、俺たちのときはめっちゃ怖かったのに今は超静かじゃんー!』なんて突っ込まれますけどね(笑)。」



野球以外にもいろんな習い事をする子ども増え、怒られた経験が少ない子どもも増えてきた。指導方針の変更は時代にあわせた変更もでもあった。だが、楽しくやるだけではダメだとも思っている。
「時代が変わってもダメなものはダメというものもあると思っています。挨拶にしろグラウンドでの態度にしろ、それはしっかりとやるべきこと。ネットやマシンの設営、片付けなども基本的には子ども達にやらせていますが、そういうことがしっかりできていないときは今でも私が注意します。楽しい方が良いに決まっていますが、ボールやバットを使っていますから、締めるところは締めないと、子どもの怪我や事故に繋がってしまいますからね」




【必然だった3チームに分けての活動】


全国大会出場した翌年に苦労したという。その原因は新チームに6年生が3人しかいなかったこともあるが、当時の活動方法にもあった。
「全国に出た頃は全学年、全員一緒に練習、活動をしていたんです。でも6年生が多くいたこともあり、メンバー以外の子たちの練習にさける時間が少なくなっていました。毎週末、試合にいけば応援をするだけ。全国に出るようなチームでしたから大会では勝ち進みます。そうすると週末は練習ではなくて応援をするだけという状態が続いていました。そんな子たちが代が変わるといきなりメンバーとして試合に出るわけですから、当然勝てないですよね」
こんな経験があったからこそ、高学年を中心にしたAチーム、低学年を中心にしたBチーム、そして未就学児のジュニアチームと3つに分け活動するようにしたという。



現在は、週末になるとAチームは午前中に練習試合などを行い午後からは練習。Bチームは午前は休みで午後から練習。ジュニアチームは午後から2時間程度、それぞれ別々に活動を行っている。
Bチームはまだ野球のルールが分からない子も多い。だから対戦相手を探して積極的にティーボールの試合を行うようにしているという。基本的に14人のメンバーは全員出場。そうやってティーボールの試合を経験しながら子ども達は野球のルールを覚えていく。Bチームを預かる前田斗志雄さんはこう話す。
「自分たちの頃とは時代が違います。まずは子ども達に楽しくなってもらうこと。そこが一番ですね。楽しくやるうちに技術がついてくると信じています」



指導の厳しかった時代もあったが、それでも多くの卒団生、OBたちが今でもグラウンドに戻ってきてくれるという。特にオフシーズンになると校庭にはグラウンドの選手の数よりもOBの方が多くなることもあるという。それがチームに携わって22年になる佐藤さんの自慢であり、喜びだ。
時には怒りつつ、グラウンドに目を光らせる佐藤総監督の瞳は優しい。(取材・文・写真:永松欣也)
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