【地元で始めた野球普及活動】
——少年野球人口が減っている中で、日本の野球界にはこれからどんなことが必要になってくると思いますか?
私たちの子ども時代はテレビでは当たり前のように巨人戦を中継していましたが、今は地上波でほとんど放送されていません。だからルールが分からない子も多いと思いますし、野球を見て「うわ!すごい!」と思ったりする機会も減っていますよね。子どもが野球に出会う接点が大きく減っています。野球中継を増やすことは僕たちにはどうにもできませんが、イベントなどを通じて子ども達に野球に触れてもらう機会は作れると思っています。プロ野球選手はもちろんですけど、高校生もそういったイベントを行い、その回数を増やす。そうやってまずは野球に触れあう、興味を持ってもらう機会を作っていくことが必要ではないかと思います。
——明豊高校でもそういったイベントを行っているのですか?
毎年11月に『明豊スポーツデー』と題して、別府市内の未就学児を含めた100人くらいの子どもを集めて、野球に触れ合う場を設けていて、もう4年くらいやっています(編注:昨年は部員の多くがインフルエンザに罹患したため中止)。
子ども達に野球を教えることは、選手にとっても勉強になっています。自分では分かっているつもりでも、小さい子ども達に分かりやすく伝えようとすると、きちんと理解できていないと伝えられないんです。人に伝えることの難しさが分かりますし、自分自身で改めて理解を深める機会にもなります。選手達も子ども達とコミュニケーションをとるために、自分の胸にガムテープを貼ってそこに「ドラえもん」とか、子どもが興味を持ちそうな、覚えやすそうな名前を書いたりとか、自分たちで考えて工夫してやっています。
——あと何年かしたら、そこで野球に初めて触れあった子が明豊に来るかも知れないですよね
そうなってくれると嬉しいですね。
(取材・記事・写真:永松欣也)