ニュース 2023.11.24. 13:36

ノックの声出しにはどんな意味がある?【少年野球お悩み相談】

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【今回のお悩み相談】


ノックの声出しにはどんな意味があるのですか?


守備練習の時の声出し、あれにはどんな意味があるのでしょうか?
4年生の息子が最近、近所の学童野球のチームに入りました。練習は週末の半日だけですが、息子も毎回練習を楽しみにしています。監督、コーチはもちろん、保護者の皆さんもいい人ばかりで、少年野球に対して身構えていた私も一安心しています。
ですが、1つだけモヤモヤしていることがあります。
守備練習が始まると子ども達が「さぁこーい!」「へいへーい」みたいな声(私には「わぁーわぁー」言っているようにしか聞こえませんが)を出さないとコーチに怒られることです。
普段優しいコーチも、ノックのときに声が出ていないと「声が出てないぞー!」「なんでそんなに大人しいんだー!」とちょっとキツめに子ども達に言っています。

息子は恥ずかしがり屋なので、練習終わりに「あの声って何の意味があるの?なんかちょっと恥ずかしいんだけど」と言っています。毎回楽しい野球の練習で、唯一ノックの時の声出しだけが抵抗があるようです。

先日、仲良くなった保護者のお父さんに「守備練習のとき、なんで声を出さないといけないんですか?」と聞いてみたのですが、「味方を鼓舞したり、仲間に指示を出すときに声を出すから。だから日頃から声出しをしておく必要がある」と教えてくれました。
それをそのまま息子に話しましたが、「じゃあ、『さぁこーい!』なんて声は何の役にも立たないから、そんな声を練習で出す必要はないし、そんな声を出さないと怒られるのはおかしい」と納得していないようです。

言われてみれば確かに仲間への鼓舞や試合での指示の声は大事だと思いますが、それと守備練習の時にわぁーわぁー騒ぐような声を出すことって、全く関係がないことなのでは? と思ってしまいます。
私自身に野球経験はなく、素人の他愛のない質問でお恥ずかしいですが、息子に理由を話してあげたいと思いますので、教えていただけますでしょうか?。




【ヤキュイクからのアドバイス】


■「元学童野球パパ」からのアドバイス


意味のない声出しはいらないと思います。ですがチームの方針であるならば、少しは従わねばならないのかなぁと思います。
声出しに関しては、指示を出す声、怪我をしないための「任せろ」の声などは必要だと思います。
プロの試合でも内野手はピッチャーの投球に合わせて「よっしゃ!」など声を掛けています。
それはおそらく、自分が打球に集中する為のスイッチを入れる感じで、(指導者に向けての)アピールの為ではないと思います。
野球は常に集中する事が難しいので、上手く、メリハリをつけながら2時間近くやる事が大切ではないかと思います。その為に「集中する時とそうでない時のそのスイッチングの為の声出し」として考えてみると良いのではないでしょうか?

■「学童野球監督」からのアドバイス


意味の無い、子どもに説明の出来ない声出しには反対です。私が監督するチームでも、特にキャッチボールの声出しは禁止してます。但し、全てが禁止では無く、良いボールがきたら「ナイスボール!」や、自分のボールを相手が上手く捌いてくれた時などは「ナイスカバー!」「ナイスキャッチ!」など、仲間が気持ち良くプレー出来る声掛けの必要性は子ども達にも話しています。
ノックも、ただやみくもに「わぁーわぁー」と意味のない声を出すより、「入るよ!」「落ち着いて!」や、ミスしても次のプレーに「後はオッケー」など、相手に対しての声掛けが大切だと伝えると、子ども達も理解しやすいと感じます。
そうした、必要性のある声が重なって、そこに準備の声が合わされば、必然と活気のある「チームの声」になるのだと思います。
「わぁーわぁー」と声を出すことは意味がないと思いますが、必要な声や準備の声、仲間が助かる声を出すことの重要性を説明してあげるのが良いと思います。

■「中学硬式野球監督」からのアドバイス


ご質問者さまのチームの指導者も、盛り上げて練習をしたいのでしょうね。それもわかります。決して全てが変ということではないですが、息子さんが疑問を感じている気持ちを大切にして「なぜ声出しが必要か?」を考えてもらうのが良いかもしれないですね。

私が指導するチームの中学生には「3つの声」を出せるようになろうと言ってます。
「①準備、確認の声」
「②瞬間、判断の声」
「③激励、応援の声」

野球を覚えてくると、特に試合の場面などで①の声は出せるようになってきます。

難しいのが②の声です。それを鍛えるためにノックの時に声を出すのは有効かもしれません。ボールが放たれたら「サード!」、捕ったら投げるところを指示「ファースト!」、ボールが低ければ「カバー!」そしてファーストが捕ったら「ナイスプレー(カバー)!」など。ランナーがいてフライが上がったら「タッチアップ!」なのか「ハーフウェイ!」なのか、上を向いてフライを捕ろうとしてる仲間に次のプレーをしやすくする補助の声など。走塁側でも瞬間、判断の声はたくさんあると良いですね。自分が上手くなります。

そんな、いずれ必要になる声出しの為に、ボールが動いている時に声を掛ける練習としてはノック時に声を出すのは必要かと思います。
ただ出すだけの声は必要ないですが、大きい声を出すことに慣れていない今の子達の為に必要な事もあるかもしれません。グランドは安心して大声を出せるのだと、恥ずかしさも持たないでいいんだとわかってもらえたら良いですね。どんな声を出すのが良いのか、どんなセリフが野球のグランドにはあるのかを知るのは、最初は指導者の声を聞きながら覚えると思いますので、指導者が意味のある声を掛けながら練習してほしいですね。

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