中学硬式野球チームでコーチを務める傍ら、全国約8,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」の管理人でもある廣川寿さん(横浜港北ポニーコーチ)の少年野球コラムです。
野球は「投げる」「捕る」「打つ」「走る」など様々な動作があります。競技のルールも複雑です。
野球を始めて、最初から結果を出すのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
私もそうでした。私は小学生の頃は体格に恵まれず、大きな選手に力負けすることも多く、初期は試合でもなかなか良い結果を出すことができませんでした。
最終的には社会人野球までプレーすることができましたが、私は「長く競技者として活躍するため」に小学生の時からできることは3つあると思います。
野球における「走る」の重要性については様々な意見がありますが、私は重要な要素だと思います。「速い球を投げる」、「打球を遠くへ飛ばす」ためには腸腰筋が発達することが絶対的に必要で、足が速い選手は例外なく腸腰筋が発達しています。
試合中においても「1つでも先の塁を狙って走る」、「守備で打球を追う」など、一生懸命走ることで獲得できるものがあります。また小中学生は体格の変化などにより、短期間で劇的に走力が発達するケースがあります。「積極性」を形成する上で「本気で走る」はとても重要だと思います。
野球は団体競技です。競技能力を高めるだけでなく、競技を通じてその後の人生に必要な「社会性」も身につけて欲しいと思います。チームの一員として「役割を全うすること」を通じて「組織に貢献すること」は社会性を形成するためには不可欠な要素だと捉えています。カバーリングはとても重要な「役割」です。
カバーリングについて「味方のミスに備えるため」という方が多いですが、私は自チームの選手に対しては「仲間に悪送球を恐れず、思い切って送球してもらうため」と説明しています。「仲間を疑うカバーリング」ではなく「仲間の力を引き出すためのカバーリング」を提唱しています。自分が良いプレーをするだけでなく、「仲間の良いプレーを引き出せる選手」になることは周囲からの信頼形成に寄与します。
サインプレーは、基本的に「複数選手が同じタイミングで行動が求められる場面」で発生します。
例えばヒットエンドランは「打者が打つこと」を前提として走者は早めにスタートを切ります。サインプレーは試合中における「チームのルール」です。ルールを遵守してこそ組織の一員として役割を果たせます。社会における法令遵守と同じです。チームのルールであるサインプレーを遵守することが社会性の形成につながると捉えています。
「全力疾走」、「カバーリング」、「サインプレー遵守」はプロ野球でも「絶対」と言われる要素です。「速く走れ!」は難しいかも知れませんが、「一生懸命走れ!」は自分の全力を出すことなので、誰でも可能だと思います。間に合わないかも知れないけど、カバーリングの位置に一生懸命走って向かうことも誰でも可能です。ヒットエンドランの時に空振りしてしまうかも知れませんが、「バットを振ること」は可能です。チームの一員として、「できたらやる」ではなく、「なんとしても役割を果たす」という姿勢を示し続けることが、チーム内での自分に対する信頼を形成し、自分に求められる役割を理解し、役割を果たそうとすることで選手は社会性を身につけていきます。
選手の成長を願うのであれば、好きにやらせるだけでなく、「役割を全うする」を求めることも重要だと思います。
廣川寿(ひろかわ ひさし)
1969年生まれ。愛媛県出身。全国約8,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」管理人。
【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数
野球は「投げる」「捕る」「打つ」「走る」など様々な動作があります。競技のルールも複雑です。
野球を始めて、最初から結果を出すのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
私もそうでした。私は小学生の頃は体格に恵まれず、大きな選手に力負けすることも多く、初期は試合でもなかなか良い結果を出すことができませんでした。
最終的には社会人野球までプレーすることができましたが、私は「長く競技者として活躍するため」に小学生の時からできることは3つあると思います。
① 常に「全力疾走」を実践すること
野球における「走る」の重要性については様々な意見がありますが、私は重要な要素だと思います。「速い球を投げる」、「打球を遠くへ飛ばす」ためには腸腰筋が発達することが絶対的に必要で、足が速い選手は例外なく腸腰筋が発達しています。
試合中においても「1つでも先の塁を狙って走る」、「守備で打球を追う」など、一生懸命走ることで獲得できるものがあります。また小中学生は体格の変化などにより、短期間で劇的に走力が発達するケースがあります。「積極性」を形成する上で「本気で走る」はとても重要だと思います。
② カバーリングを怠らないこと
野球は団体競技です。競技能力を高めるだけでなく、競技を通じてその後の人生に必要な「社会性」も身につけて欲しいと思います。チームの一員として「役割を全うすること」を通じて「組織に貢献すること」は社会性を形成するためには不可欠な要素だと捉えています。カバーリングはとても重要な「役割」です。
カバーリングについて「味方のミスに備えるため」という方が多いですが、私は自チームの選手に対しては「仲間に悪送球を恐れず、思い切って送球してもらうため」と説明しています。「仲間を疑うカバーリング」ではなく「仲間の力を引き出すためのカバーリング」を提唱しています。自分が良いプレーをするだけでなく、「仲間の良いプレーを引き出せる選手」になることは周囲からの信頼形成に寄与します。
③ サインプレーを遵守すること
サインプレーは、基本的に「複数選手が同じタイミングで行動が求められる場面」で発生します。
例えばヒットエンドランは「打者が打つこと」を前提として走者は早めにスタートを切ります。サインプレーは試合中における「チームのルール」です。ルールを遵守してこそ組織の一員として役割を果たせます。社会における法令遵守と同じです。チームのルールであるサインプレーを遵守することが社会性の形成につながると捉えています。
「全力疾走」、「カバーリング」、「サインプレー遵守」はプロ野球でも「絶対」と言われる要素です。「速く走れ!」は難しいかも知れませんが、「一生懸命走れ!」は自分の全力を出すことなので、誰でも可能だと思います。間に合わないかも知れないけど、カバーリングの位置に一生懸命走って向かうことも誰でも可能です。ヒットエンドランの時に空振りしてしまうかも知れませんが、「バットを振ること」は可能です。チームの一員として、「できたらやる」ではなく、「なんとしても役割を果たす」という姿勢を示し続けることが、チーム内での自分に対する信頼を形成し、自分に求められる役割を理解し、役割を果たそうとすることで選手は社会性を身につけていきます。
選手の成長を願うのであれば、好きにやらせるだけでなく、「役割を全うする」を求めることも重要だと思います。
廣川寿(ひろかわ ひさし)
1969年生まれ。愛媛県出身。全国約8,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」管理人。
【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数