選手がミスを怖がるようなことをしていたらダメ
——少年野球人口が減っていることについて何か思うところはありますか?
私が大きなことを言える立場ではないのですが、野球って捕るのも投げるのも全部一人なんですよね。そういったプレーが重なって野球のプレーになるのですが、そういうプレーの一つ一つの責任を負うことが「重い」と思われているのかもしれないですね。
——面白い視点ですね。それが野球の面白さでもあるんですけどね。
そこを面白いと思ってくれる子どもはいいのですが、「お前何やってんだ!」と言ってしまう指導者もいますよね? そこも大きいと思います。指導者が感情にまかせてそういうことを言ってしまう、(少年野球には)そういうイメージがあるのかもしれませんね。
私も含めてですが、今の時代の指導者は児童心理学や野球の論理も勉強していかないといけないと思いますし、野球はミスのうえに成り立つスポーツだということも学ばないといけない。ミスをした個人を責めるのではなくチームとして受け止める。選手がミスを怖がるようなことをしていたらダメですよね。
——もしも小菅監督が少年野球の指導者になったら一番大事にしたいことは何になりますか?
チャレンジする精神ですね。「よくあの打球、前に出たね」とか「みんなが手の出なかったあのボール、よく振りにいったね」とか、チャレンジすることをどんどん褒めて「チャレンジすることは怖くない!」というふうにしたいですね。振らなきゃ当たらないですし、ボールに近寄っていかないと捕れないですしね。そういう姿勢を大事にしてあげたい。「失敗は悪くない、チャレンジしないことが悪い」そんなことを大事にしたいですね。
——昨年は高校球児の髪型が話題になりましたが土浦日大も長髪ですね。
そもそもになりますが、人の髪型を坊主にしろとか、よくそういうことがまかり通りっていたなと思います。選手とも話をしたのですが、やっぱり(髪型は自分で)選ぶべきだと。だから「自分は坊主でいきます!」という子がいてもいいですし、前髪が目にかからない程度くらいであれば(何の問題もない)。
慶應義塾さんは長い歴史があって、高い学力が備わっていて今の長髪がありますけど、うちは3、4年くらいは「ちょっとどうなのか・・・・・・」という髪型をしている選手もいました。それについては色々と言いたいこと、怒りたいこともありましたけど我慢して、「こういう髪型はいいよな」って、悪い髪型を怒るのではなくて良い髪型を褒めるようにしました。
これを誰が解決したかというと、選手自身なんです。「それはダメだろう」「その髪型は品がねぇだろ」とか、(自分が介入せずに)選手同士でやらせたら、却って良くなりました。(取材・写真/永松欣也)