【横からのトスバッティングと連ティーはNG】
——昨年8月に開業して、実際にやってみて良くも悪くも想定と違ったことなどはありますか?
子どもに野球のちゃんとした技術を学ばせたいという親御さんが多いことと、子ども自身も「上手くなりたい!」という強い意欲を持って通ってくれていて吸収する力が強いことですね。
——野球をやっていない子やチームに入っていない子もウエルカムですか?
もちろんです。チームに入る前段階として「野球ってどんな感じ?」という感覚で来てもらうのもウエルカムです。でも日頃全く運動をしていない子もいて、そういう子には野球をやる以前に体をたくさん動かすところからスタートせざるを得ないので、もしかしたら「もっと野球をやりたいのに」と思われているかも知れません。その辺のジレンマはありますね。
——とはいえ、この時代に運動しない子が「野球をやりたい」と思って来てくれていることは大事にしたいですよね。
はい、そこはすごく嬉しいんです。ですので、基本的な体の動かし方の中にもちょっとした野球の動きを取り入れてみたり、野球のどんなプレーにつながる動きなのかというのを説明した上でレッスンするように心がけています。
——バーティカルスイングを指導していますが、子ども達が所属するチームでダウンスイングが指導されていていても否定しない、「引き出しの一つになれば良い」と話されていたことが、考え方が柔軟で印象に残っています。
でもチームでのバッティング指導で一つだけやらせて欲しくないことがあります。それはヒッティングポイントを前にして手首をこねる、いわゆるリストターンでヘッドスピードを出させることです。その癖が小さい頃についてしまうとなかなか抜けないです。
——リストターンの弊害はどんなところにありますか?
スイング軌道が歪んでしまい打てるポイントが一点だけになってしまう点です。それだとヒットの確率が極端に低くなってしまいます。横からのトスバッティングとか連ティーとかをやっているとリストターンの癖がつく可能性があるので育成段階では特に注意が必要だと思っています。
——連ティーもダメですか?
高校野球も飛ばないバットが話題になっていますが、これまでは当たれば飛ぶバットだったので、連ティーなどで「振る力」を鍛えれば試合でヒットが打つことができていました。当たれば飛ぶのですから。でもこれからは力ではなく打つ技術が大事になってきます。この先、中学、高校と野球を続けていきたいと思うのであれば、しっかりとした理論に基づいた技術を習得させてあげたいですし、それがここの役目の一つだと思っています。
——野球塾はその子の体や特徴に応じた個別指導ができることが魅力の一つだと思いますが、Baseball Laboでは『4スタンス理論』に基づいた、よりその子にあった個別指導をしているそうですね。そもそも『4スタンス理論』とは?
簡単にいうと、その子の体を触って、バランスを見て、出力チェックなどを行って、「A1タイプ」「B1タイプ」など4つのタイプに分類できるんです。タイプが分類できたら「この子はこのタイプだから、こういうふうに体を使った方がいいね」とか、そういう指導ができるようになります。『4スタンス理論』が万能だとは言いませんが、闇雲に指導するのではなく、その子を指導する上での道標になりますよね。理論に基づいたバッティング指導をしたからといって全員が同じスイングになるというわけではないということです。
——なるほど。子どものタイプを把握した上で、それぞれにあったフォームを作っていくということですね。今日はありがとうございました。
(取材・写真/永松欣也)
【Gate1Field Baseball Labo】
<住所> 神奈川県横浜市青葉区美しが丘5−14−10 ラ・エレガンス2階
<電話番号> 090−6650−5994
<営業時間> 10:00 〜 22:00
<定休日> 日曜・祝日
<HP> https://www.g1f-baseball-labo.com/
<代表・トレーナー>菅澤遼(すがさわりょう)
1984年生まれ 39歳
保有資格
・REASH公認コーチ級トレーナー
・JSBB公認学童コーチ
・U-15&12 BFJ公認野球指導者