ニュース 2024.06.08. 10:49

ホームランを打とう!「全員ホームランバッタードリル」|高校野球の元監督が少年野球の「お父さんコーチ」になってみた

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前回の「全員ピッチャードリル」に続いて、元川和高校野球部監督の伊豆原真人先生に今回は全員がホームランを打てるようになるように、「全員ホームランバッタードリル」を教えてもらいました。




全員ホームランバッタードリル


「全員ホームランバッタードリル」には6つのステップがあります。「全員ピッチャードリル」同様、小学生への伝え方には様々な考え方がありますので、あくまでその中のひとつとしてご理解いただければと思います。

(1)足の使い方


まずはノーステップで打ちます。この時に意識するのは、前足の裏側をピッチャー側に向け、踵(かかと)を上げます。しっかり後ろ足に体重を乗せることが大切です。
そして、前足の踵を力いっぱい踏み込んで、一気に体重をかけて地面反発力をもらうということ。後ろ足は踵を上げて、前足の踵を強く踏む、いわゆる踏み換えるイメージです。まずはバットを振らずにこの足の踏み替えを速く行う練習を行います。



【注意点】
・頭が前に突っ込む選手が多い
・頭を動かさずに踏み替えの瞬間に軸足を一瞬上げるイメージ

(2)バットを担いで打つ


足の踏み替えを意識しつつ、今度は実際にボールを打ちます。その際、バットは肩に担ぐように(またはそれに準じるようなバットの角度に)構えます。バットを肩に担ぐことでヘッドが落ちることを防ぎます。スイングの軌道が良くなり、ヘッドを出しやすくなります。まずは担いで打つことで綺麗にバットを振れるようにすることが狙いです。(1)の足の踏み替えも意識しながら打ってください。



【注意点】
バットのヘッドは肩と平行になるように。肩よりもヘッドが下がらないように。

(3)バットを少し立てて打つ


バットを少し立てて、いつもの自分のバッティングフォームに近い形で構えます。構えるときのバットの角度は通常30〜45度くらいが良いと思います。この構えから、足の踏み替えを意識してボールを打ちます。



(4)いつもと同じバットの構え+前足をつま先で地面に付け、後ろ足に引きつけてから打つ


まず、バットはいつもの自分の構えにしてください。前足は足裏をピッチャー側に向けて打っていましたが、今度は普通に構えた状態から前足を後ろ足につけ、そこから踏み出して打つようにしてください。打つときは足の踏み替えを意識してください。前足を引くとき、地面に付けておくことによって頭部や身体が安定してスイングすることができます。



【注意点】
スイングの際に顔の高さがブレないように打つ

(5)いつもの自分の構えから打つ+背中まで振り切る


いつもの自分の構えからいつものスイングを行います。どんなバットの構えでもOKですが、テイクバックからスイングにかけて(3)の30〜45度の位置やラインにバットが入ってくる、通過するように意識してください。振った後はバットが背中に当たるくらいに「背中まで振り切る」ことを意識してください。手首を返すことは意識せず、できるだけフォローを大きく両手で振りきり(片手フォローになる場合は最後に片手を離すイメージ)、振った後に「後ろ側の肩が顎に乗る」と良いでしょう。





【注意点】
前足は体が回りやすいように45度の角度に開く。前足を閉じすぎていると体が回らない。スイング前に前足が開きすぎているとバットを強く振れない。
小学生の場合は股関節が使えないことが多く、腰を回せ!と言うと痛めやすいので注意したい。

(6)最後に目標に向かって打つ


上記(1)〜(5)までのスイングは一旦忘れて、好きなようにネットに設けた目標に向かってトスバッティングを行います。目標とする位置は大人の身長の高さよりやや高い位置。打球の角度が10〜20度くらいです。左中間、右中間を抜くライナーヒットやライナーのホームランを打つイメージで打ちます。
日頃の練習からこの目標の位置、角度を意識してバッティング練習を行ってください。



「全員ピッチャードリル」と同様に、このドリルは型にはめて打たせることが狙いではありません。あくまでも大事にするのはその子の感覚と個性です。このドリルは定期的に行い、ドリルが終わった後は子どもの好きなように打たせてあげてください。少しずつドリルのいくつかの要素がその子に残っていってくれていればOKです。
小学生はその日に「10」できたことが翌週には1〜2になっていることも多いものです。それを当たり前だと思い、繰り替えしドリルを行い、日頃のバッティング練習では打球の角度を意識して指導してあげてください。

<動画で解説>




(協力・早渕レッドファイヤーズ)

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