【メジャー:中村知也監督】
——メジャーの指導方針は?
特に技術の面、ディテールにこだわっています。あとは練習に取り組む姿勢です。毎日素振りをやると決めたのならしっかりやり通す姿勢。それは技術レベルや体格差に関係なくできることだと思いますから。
——こういうときは怒るよ、ということは何かありますか?
集中力を欠いたときですね。グラウンドを見ていないときは怒ります。グラウンドの中の子達は絶対に見ますよね。だからグラウンドの外にいるときの子達を見るようにしています。例えばキャッチャーやファーストの後ろにいるランナーを待っている子達がグラウンドの中を見ていないと暴投が来たときに当たってしまいますよね? 安全の面からそういうところを見ています。コーチはグラウンドの中を見て、僕はグラウンドの外をよく見ているようにしています。
捕る、投げる、打つは個人差もありますし得意、不得意もあると思いますけど、「見る」と「声を出す」ことは誰でも意識すればできること。だからできてないときには怒るようにしています。そういうことが一生懸命にできる子は伸びる子が多いと思っています。
——中村監督が考える「野球の楽しさ」とは?
厳しさのなかにある「楽しさ」でしょうか。高学年になると練習も厳しくなりますし、硬球で野球をやっているので当たると痛いし危ない部分もある。だから常に集中しないといけないという精神的に厳しい部分もあります。そのなかで良いプレーができたり、打てたり、怖さに打ち勝ってボールを捕れたり、そういうのが楽しいことなんじゃないかなと思います。
——「楽しい野球」の対極にある「勝利至上主義」という言葉に対して思うことはありますか?
勝つことを前提にしないスポーツなんてあり得ないと思うので、そういう意味ではみんな「勝利至上主義」だと思います。ただ、子どもが不幸になってまで、不幸にしてまで勝ちを優先することはあり得ません。怪我をしてまで投げろとも思わないですし、休むときは休みなさい。安全、健康が第一だと思っています。
——監督として嬉しい瞬間はどんな時でしょうか?
子どもが喜ぶ姿を見たときですね。勝利の瞬間とか、子どもが良いプレーをして「やった!」という表情になるときが一番嬉しいですね。プレーだけじゃなくて「今日はアイス食うぞ」と言っても同じような表情になるんですけどね(笑)。
——リトルリーグの良さはどんなところにあると感じていますか?
仲間と一緒の目標に向かって練習をして、一緒に喜んだり、悔しがったり、それが子どもの成長に繋がる、野球の一番の良さかなと思います。リトルリーグは1年から入っている子は最長7年やりますから、期間が長いんです。その間にそういったことをたくさん経験させてあげて人間形成ができる。それがリトルリーグの良いところかなと思います。
(取材・写真/永松欣也)